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川崎市殺傷事件他について ひきこもり家族会からの声明文

今、私たちは憤りと困惑と恐怖の入り混じる渦の中で毎日を過ごしております。川崎市での無差別殺傷事件、3日後に福岡市での親族殺傷事件、その翌日に東京で元事務次官の父親が息子を刺殺と続いた一連の経緯から、「ひきこもり」というワードが無限大に拡散しつつあります。既にその原因背景を探ると称する報道が洪水のごとく流れ出していますが、事件の悲惨さからしてその多くが「ひきこもり」バッシングになっています。

出口の見えない暗い荒野を彷徨うこと10年20年、時には萎えそうになる気持ちを鼓舞しつつ、親が学習して力をつけ、同じ立場の人と交流し互いに励まし合って参りました。徹底的に子供に寄り添った子供の側に立った姿勢が最も大切であると考えます。今回の件で動揺しているであろう親の皆さんには、毅然たる態度で逆風に耐えていただきたい。いまだ何処へも相談に行っていない皆さんにはどうか公的な相談窓口に出掛けて欲しい、私たち家族会の扉を叩いて欲しい。親も子も社会から孤立してしまうことのないよう外に向かって欲しいと切に願います。

本年3月末に公表された内閣府の統計調査で、40歳以上64歳未満のひきこもりの数は61万人(1.45%)、数年前に実施された39歳未満の数と合わせれば110万人を超えると推計されています。しかし、全国で5千人を抽出したこの調査方法を疑問視する意見があり、200万人を超えているのではとの声も聞かれます。過去全国の市町の中には全戸に近い実態調査を実施したところがあり、ひきこもり数の余りの多さに驚愕して早々と対策を講じたとの事例があります。

私たちは今後各市町に対して早急に実態調査を行うよう要望する考えです。実態が把握できなければ対策のたてようもないことは言うまでもありませんし、今日の日本で100万人単位の人の塊が宙に浮いて漂っている現状は尋常ならざる事態であります。ひきこもり家族の孤立化を防ぎ、既に突入しつつある所謂【8050問題】を含め政治も行政も放置できない喫緊の課題として取り組んでいただきたいと要望いたします。

2019年6月10日
KHJ静岡県いっぷく会
会長  中 村 彰 男
静岡市葵区一番町50(静岡市番町市民活動センター内)
Tel/ Fax 054-245-0766  URL : http://ippukukai.com