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活動内容

い っ ぷ く 会 便 り 2015年6月号

<6月号> 平成27年6月1日 発行
NPO法人 全国ひきこもりKHJ親の会(家族会連合会)静岡県「いっぷく会」
会長 上杉 博美

日時
平成27年 5月10日(日)13:15 ~ 17:00
テーマ
『無条件の肯定的関心と本人の内面の理解』
講師
SCSカウンセリング研究所カウンセラー高橋 晋 先生
会場
静岡県男女共同参画センター「あざれあ」

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PDFファイル201506.pdfLinkIcon

5月例会のご報告

5月例会は、5月10日(日)静岡県男女共同参画センター「あざれあ」で開催しました。

◆準備会 10時~
上杉会長など16名の参加をいただきました。
 まず、「いっぷく会便り5月号」「親父クラブ案内」「旅立ち第77号」「ジョブトレーニングチラシ」 を入れて、参加者への配布、欠席者、関係機関への郵送作業を行いました。
続いて、いくつかの報告事項、協議事項を話し合い、あとは昼食をはさんで楽しい歓談の時間を過ごしました。場所も午後の例会と同じところですので、会員の皆さんも、弁当持参でご一緒に過ごせるととても楽しいです。是非ともご遠慮なくお出かけ下さい。

◆例会 13時15分~16時50分 参加者34名(当事者3名、初参加1名含む)
◇会長挨拶・活動報告
ご出席のお礼を申し上げます。
例会の中では、「学習会」とか「話し合い」の中で個人情報のことが出てきますが、この中での話は、あくまでもこの場に限っての話です。お互いに守秘義務があると承知しておいて下さい。
静岡市の支援センター見学のこと、助成金の報告などを行いました。

◇連続学習会  13時35分~15時30分  
テーマ「無条件の肯定的関心と本人の内面の理解」 
講師は SCSカウンセリング研究所
カウンセラー  高橋 晋 先生                     
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まず「無条件の肯定的関心」はいつも申上げているが、それから入ると途中で行き詰まってしまうことがある。
通常の人間関係においては、話を肯定的に聞いてゆくと割に良い関係になりますが、ひきこもっている子は感覚が鋭いです。「心底分かって話を聴いてくれているのか?」「親は深い部分では自分のことを理解してくれていないのではないか?」ということで試し行動をしたりして、行き詰まってしまうことが多いです。
行き詰まってからが「無条件肯定の本番」と理解してゆく必要があります。

1、相手に聴く姿勢が無いと本人は話せない
 ひきこもっている子は、小さい時から自分からアクションを起こすというよりも、周りの雰囲気を見て人に合わせて自分がどうすればいいかと、無意識のうちに受身になっていることが多いですね。
 親子関係でも同じように、ひきこもらない子は自分の言いたいことをストレートに出してくるが、ひきこもりの子はそれが出来なかったりします。親から見ると小さい時には問題もなく「おとなしくて良い子」だから問題を抱えたり行き詰まったりして、親に気づいて欲しいというサインが出ても、親は気づかないことが多いです。
 又、繊細なので強いサインが出せないのです。親は余計に気づきにくいのです。だから親は現実のアドバイスを結構やるのですが、子どもはエネルギーがなく、頭では分かるのですが内面ではできない状態にある。そして段々と親子関係が「きつい・苦しい」なって距離をあけるという流れになってくることがあります。
親が、学習を通して「今、子どもがどういう状態なのだ」という理解して、気持ちの余裕をもって「子供を支える」という雰囲気を生活の中で進めてゆくと、その変化を感じてエネルギーが回復してきますね。

2、会話以前の関わり

 (1)親からの関わり

 ひきこもっている時はなかなか子どもの方からは話してこない。親は何かと将来のことなどアドバイスをしたくなるが、子どもにとっては、今現在の苦しさを理解して寄り添って欲しいのですね。
まず日常の挨拶などで子どもにとって負担の少ないことから関わっていくのがよいですね。

(2)本人からのサイン

子どもとの距離が近づいてきて、「分かって欲しいこと」それまで黙っていた「わだかまり」を話す機会が出てくるものです。

(3)言葉でのコミュニケーションにしてゆく

子どもが緩んできて距離が近づいてきた時に、少しづつ話題を拡げ、子どもに成るべく話をさせるのがよいですね。

3、本人から話が出てきたとき

(1)まず言っていることをそのまま聴く

子どもから話が出てきた時は、親はあまり口をはさまないで、相槌だけで聴いてみる。これが単純だが難しいこともある。特に「子どもが覚えている事実」と「親が覚えている事実」と相当違いがあることが多い。その時は、真実はともかく横において、子どもの過去の気持ちに添って聴いてやり、子どもの中に溜まっているものを吐き出させることが大事です。

(2)本人の気持ちに沿って聴き、受けとめていく

ある程度溜まっていたものを吐き出した時、親の方は「そうだったんだね」「つらかったんだね」 「そうせざるを得なかったよね」「それ以外なかったよね」「あの時に分かってあげられなくて悪かったね」子どもの気持ちを汲み取ってゆき、子どもも「分かってもらえた」という感覚がもてる。
子どもの内面の気持ちを理解して、肯定的に受けとめてゆく、その積み重ねが大事です。

4、「無条件の肯定的関心」の本当の意味

 (1)行き詰まってからが「無条件の肯定的関心」の本番

 親が子どもの話を聞いて受けとめても、それでも苛立ち、無理難題を言ってくることもある。親の関心が表面的なことに行きすぎている場合「分かってくれていない」と苛立ったりして、無条件の肯定ではすまないこともあります。
 1つの例として、子どもが「死にたい」と言った時にどのように応えるでしょうか? 「死にたいのね」と これはとても肯定できないですね。「辛いんだね」「苦しいんだね」と返してゆくのが大事でしょう。
 正解は子どもによって違ってくるが、苦しさを吐き出し、その先には「親から愛されている」こと。「あなたが大事」という親の愛情が伝わること。言葉より本当は態度という場合もあります。
「抱きしめる」それも効果的ですね。寄り添った後に愛情を伝える(伝わる)ことがいいですね。

(2)「何を」無条件に肯定するのか

 1つの事例として「子どもが万引きをしてお店の人に捕まった」さあこの場合どのように対応しますか?
 子どもの年令によっても対応が変わってきます。学校へ入る前くらいまでは、分かっていなくて勘違い、思いこみでしてしまう。「これは取ってはいけないよ」と教えて納得すればそれでよいですね。
 3年生から中1位。万引きを悪いと分かっていて、でも表現の手段がなくてやってしまった。
これは一種の子どもからのSOSなのです。
何のSOSか子どもによって違いがあるが、事件を起こすことで、普段から親に対して素直に吐き出せていない。表現できていないことが背景にあるのではないか。家族関係が絡む場合が多いです。
この時は特に大切で、心を落ち着かせて、ゆっくりと話を聞いてあげたいですね。
根の深い問題を抱えていることが多いです。悪いことは悪いことして叱って欲しいという気持ちと、
自分がなぜそうせざるを得なかったか、理解してほしいという気持ち、色々な気持ちが存在することがあります。
小6から上くらいは、家族関係と友達関係の両方が絡むか。「仲間外れになりたくない」この意識もある。
高校生では、不良グループに組み込まれてその中の活動の一部としてやっていること多いです。高校生では親子関係はもう固まっていて、すぐには表面に出てこないですね。

(3)子どもが親に求めるもの

子どもが表面の部分と内面の部分が別れていて、親に対して言葉で攻撃したり、責めたりして、親が言葉の部分で受けとめ対応しようとしても治まらずに、逆にエスカレートしてしまうこともある。
 親も言葉(表面)の方に意識がいっていると、子どもの心の奥の部分が求めているものに気づかないということも割に多いです。
 その辺りでは、親の育ってきた時代(貧しい時代に我慢して育ってきた)と子どもの育っている時代(なんでも揃う豊かな時代)の違いもあります。
しかし奥の部分では、やっぱり親の愛情を求めているのです。その求めているものを親が感じてゆく、言葉以外の部分で「親が分かってくれた」ということが子どもに伝わり、子どもの奥の部分が満たされてくるものです。むずかしい話ですが・・・・。

5、肯定的受容から深い理解と信頼へ

出てきた話、要求を肯定的に受けとめる。それが入口ではあるが、表面に出てきたことにとらわれ過ぎては分からなくなることがあります。奥の部分を理解し、親自身の深い部分と繋がってゆくと、子どもは雰囲気で分かってくるのです。目の前の動きにとらわれず「どうしたら幸せになれるか」
じっくりと関わって取り組んでまいりましょう。

概略このような学習をしていただきました。ありがとうございました。

◇グループでの話し合い
 4つのグループに分かれて、適宜に高橋先生のアドバイスをいただきながら自由な話合いをしました。 
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子育て四訓                     

子どもの成長段階に比例して、少しづつ距離を離してゆく。
そんな親としてのスタンス、あるべき姿を分かりやすく教えてくれる訓示です。

1.乳児はしっかり肌を離すな
2.幼児は肌を離せ 手を離すな
3.少年は手を離せ 目を離すな
4.青年は目を離せ 心を離すな

山口県下に住むある教育者の方が、長年の教育経験を踏まえて「日本時事評論」に
まとめたものだそうです。いずれにしても「子育ての最大ゴールは子どもの自立」です。
過保護、過干渉になりすぎないことが大切です。
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7月例会のお知らせ


日時 平成27年 7月12日(日)13:15 ~ 17:00

会場 静岡市番町市民活動センター 2階 大会議室

<連続学習会テーマ> 

『言葉の「意味」と「理由」と「わけ」を探る』

(講師)NPO法人フレンドスペース
カウンセラー 菊池 恒 先生

参加費 会員お一人1500円(ご夫婦)2000円  当事者は無料
(初めて参加される方は体験日として無料で参加できます)

今回は、隔月の個別相談会でお馴染みの菊池 恒先生が講師をお勤めになられます。
さてどんなお話をされますか、たいへん楽しみです。

尚、当日10:00より例会準備会を同場所で行っています。会報の郵送作業や家族同士の歓談などを行っていますので家族、当事者の方などどなたでも参加できます。皆さんのご参加をお待ちしています。

会長コラム
先月、善光寺に行ってきましたが、人の多さに人酔いしそうでした。重要文化財の開智学校の和洋式の職人の技がふんだんに使われ見事でした。
現代では匠の技が光るなど言うと、何か古い遠い時代に映るのは何かなあと思います。子供達にコツコツとやれる楽しみな物はないか考えて話をしたいものです。私自身がよそよそしくもなく、何も気にならない、何か安心していられるような、日々楽な気持ちにしてやれるように生活させるように努力したいものです。頑張り過ぎず行きましょう。

初めてご参加の方は月例会会場で入会手続きができます。
年会費6000円 月例会参加費お一人1500円(ご夫婦参加2000円)
その他、いっぷく会へのお問い合わせは事務局までお願いします。
事務局 電話・FAX 054-245-0766 担当 中津川
info@ippukukai.com

連続学習会は「赤い羽根共同募金」の助成を受けて運営されています。

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