活動内容
いっぷく会便り 2018年4月号
平成30年4月1日 発行
NPO法人 KHJ全国ひきこもり家族会連合会 静岡県「いっぷく会」
会長 中村 彰男
日時
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平成30年3月11日(日)
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テーマ
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「“反抗”“吐き出し”“退行”の対応」
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講師
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SCSカウンセリング研究所 代表理事 桝田 宏子氏
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会場
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静岡市番町市民活動センター
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PDFファイル201804.pdf
3月例会のご報告
3月例会は、3月11日(日) 静岡市番町市民活動センターで開催しました。
◆準備会 10時~
20名の参加をいただきました。(今までで一番多くの参加をいただきました)
まず「いっぷく会便り3月号」「4~6月学習会案内」「懇親会案内」を入れて、参加者への配布、欠席者・関係機関への郵送作業を行いました。そして、いくつかの報告事項、打ち合わせ事項について話し合い、あとは昼食をとりながら楽しい歓談の時間を過ごしました。場所も例会場と同じです。
弁当持参ですが、例会に少し早めに出かける感じで参加してみて下さい。都合のつく時間からで構いませんので、是非ともゆっくりした時間を共有しましょう。
◆例会 13時15分~16時40分 参加者36名(非会員3名含む)
◇挨拶と連絡事項
中村会長;お忙しい中をご出席ありがとうございます。
今日は、東日本大震災から7年を迎え、朝からたくさんの映像が流れていましたが、決して風化させてはならないことだと思いますが、一方では、人間は悪い悲しい記憶は忘れていかないと生きていけない動物だと思います。風化はやむを得ないこともありますが、静岡でも大地震の恐れありと何年も叫ばれています。だからこういう日に準備怠りなく考えていきましょう。
政治の世界でも色々な事が起きていますが、家庭の中でも親の姿を見て子どもは育ってゆくわけですので、今日も学習をしてまいりましょう。
連絡事項;
・4月8日総会を予定しています。そして終了後に懇親会を行いますのでご是非ご出席ください。
・個別相談会の3月予定、グループカウンセリングの希望者はご利用下さい。
・DanDanしずおかの講演会 3月17日南部図書館で開催。「発達障害と不登校・ひきこもり」
講師:静大大学院准教授 伊田先生 希望者は事前申し込みが必要ですので申し出て下さい。
◇連続学習会
テーマ「“反抗”“吐き出し”“退行”の対応」
講師 SCSカウンセリング研究所 代表理事 桝田 宏子氏
今日の学習の主なポイントは次のような事でした。
- 講師は、フレンドスペース・SCSと30年にわたってひきこもり問題に取り組んでいますが、一般のこととは異なる行動になるため、通常の医療とか心理療法では解決できないようなことがあり、その中で色々なことにぶつかりながら回復する道筋をつかんできました。
- 回復すると言っても、一挙に回復するようなものではありません。元気になって出て行っても、またぶり返したり、エネルギーを失くして駄目になったりし、それを繰り返しながら回復してゆくのです。
- そもそもひきこもる子は、親を悲しませたくないし、周りにも優しい子なのです。だから自分の気持ちを押さえて頑張っているのですが、それが限界にきて「ひきこもる」という状態になるわけです。
- 親が相談に来たときは、まず聞きます「壁に穴があいていますか?」「物が壊れていますか?」「家庭内暴力がありますか?」と。これらがある時は自分の気持ちに正直に生きようとしているので回復が早いです。「後は親次第です」と言います。
とにかく親に心理の世界の事を知って対応力を身につけて頂くこと「親の成長」です。 - 親が「ひたむきさ」と「覚悟と明るさ」が身について「親育ち」になってきたら、やり遂げられることです。これにより何人もの親子が結果を出してきております。
- 子が「何も出していない」「静かにこもっている」この場合は、まだ親に遠慮して本心を出せていない、まだ自分を出せないので少し時間がかかります。
- SCSでは、子どもだけのカウンセリング、居場所などはやっておりません。
必ず「親の参加が必要」としています。有能な医師やカウンセラーでも、ある程度の回復まではできても、欲求感ができている子どもが「安心感」を得るのは親しかいないということです。 - 「小遣いは毎月定額で渡してください」と言います。使っても使わなくてもです。買物をするということは大事な社会参加なのです。しかも自分の欲求感を満たしてゆく、これが効く薬なのです。
又、動き始めた時は必ずお金が必要になります。受け取らなければ決めた所に置いといて下さい。 - 欲求がちゃんとしてくれば行動ができるのです。その欲求に対応して、満たされると回復してくる大きな要因です。
- 親自身も、取り組んでゆくと、自分の気持や考え方を点検せざるを得ませんね。「無条件の肯定」という心理の世界を知っていただく必要があります。
- 最近、長期高齢化で「8050問題」として社会問題として上がっています。OSD(親が死んだらどうしよう)といった動きがありますが、経済の問題だけではありません。SCSではこれをもじって「OIS」と言っています。「親が、生きているうちに、信頼関係を」です。親が死んだあとに生き続ける必要がありますが、それには親が学習し続ければ間違いなくできるのです。
親が死んでも大丈夫となります。 - SCSでも色々なケースがあります。子の行動も色々、親の離婚、再婚などもありますが、「親があてにならないと、いくら子どもが資質豊かでも、資質が豊かな分 危険察知能力が高いのでぐっとしまってしまう」
- 最近はひきこもりビジネスも出てきていますが、本人だけへの対応とか、目先の成果に目を奪われることが無いように気をつけて下さい。「親が学んでゆっくりと見守る」とても大切です。親が学習をしていないと、ぶり返したときに対応できません。必ずぶり返すものです。
- 大きくなっても、お母さんに「オッパイ触りたい」「一緒に風呂入りたい」という退行(幼児帰り)が出ることがあります。「そうなのね」と答えるのがコツです。難しい事なので必ずカウンセラーに相談して下さい。これを拒否・遮断すると、とても長引いたり、精神異常になったりします。
退行が起きた時に、無条件に対応することは絶対必要なことです。私達はそんな事例に沢山経験しています。 - ひきこもる人達は、とても記憶力が良くて小さい時の親の対応などを覚えていたりして試されることあったり、一見無理そうな要求をしてきたりします。「そ~か~」「わかったよ」と引き取れば良いですね。無理かどうかは、子どもがわかっているのです。無条件の肯定で受け取ると「安心と信頼」つながります。
- 大学卒業してからひきこもったという事例に対して、ひきこもるまで頑張ってきたのですね。親思いです。親に心配をかけたくないと。しかし心身ともに疲れ切ってひきこもるしかなかったのですね。
それ以上頑張ったらもっと大変でした。ひきこもったことでよかったのです。育ち直しができるのです。就職とか社会に出るという話ではないのです。親がかなりまともだから、親が守ってくれるから、疑心暗鬼な処もあるが、親元に居てくれるわけです。家にこもるのはチャンスなのです。
その為には、親がこのような会で学習するのです。同じ思いをしている仲間もいますし、学習していると自分ではわからなくても必ず変化していきます。子どもにはその変化がわかるのです。
あるお父さん「俺の人生の経験をすべて出して彼を助けます」と覚悟してくれました。素晴らしく早い回復でした。 - 回復していく段階で、悪夢を見たり、微熱が続いたり、高熱が出たりします。それは良いことなのです。悪夢を見たりして「寂しい」「怖い」ということもあります。寄り添って欲しいという時には「わかった」快諾して、子どもが望むようにやってください。こういう世界なのです。
今日の学習会のテーマ「反抗」「吐き出し」「退行」これらはいずれも回復の段階で出てくることです。
「無条件の肯定的関心」で受け止め対応する。これができるかどうかが一番大事なことです。
どうぞ学習を継続して下さい。きっと子どもは回復します。
5月例会のお知らせ
日時 :平成30年5月13日(日) 13:15 ~ 16:30 (受付 13:00~)
会場 :静岡県男女共同参画センター「あざれあ」4F 第2会議室
<連続学習会テーマ> 『 ひきこもるこころを理解する ~ 当事者の声から ~ 』
(講師)一般社団法人ひきこもりUX会議 代表理事 林 恭子氏
講師 林 恭子氏紹介
横浜市在住。高校2年で不登校。20代半ばでひきこもりを経験。信頼できる精神科医や「ひきこもりについて考える会」での多様な人々との出会いを経て、30代半ばで回復に向かう。
現在は、NPOでアルバイトをしながら「ひきこもりUX会議」「新ひきこもりについて考える会」「ヒッキ―ネット」のメンバーとして活躍している。
※事前の参加申し込みは必要ありません、当日会場へお越し下さい。
<参加費>今年度も赤い羽根共同募金からの助成金交付が決定しましたので1家族 ワンコイン! 500円
初参加の方 体験日として 無料
当事者の方 無料
尚、当日10時より準備会を同場所で行っています、是非、皆さんのご参加をお待ちしています。
いっぷく会の連続学習会は「赤い羽根共同募金からの助成金」を受けて運営しています
「いっぷく会」は、地域に潜在するひきこもりの子どもを抱えた、親を中心とした「家族会」です。特に最近は、不登校・ひきこもりは多くの方が悩む問題となっております。
このひきこもりからの回復には、一番身近にいる家族がどう対応するかが最も重要なことと言われております。
このため、ひきこもり当事者の心理など、正しい知識と対応について学び、実行することが一日も早い社会復帰への道と考え、講師を招いて月1回の連続学習会、随時に公開講演会を開催しております。
そして、この学習も継続して取り組むことが一番大切なことです。
また、近年はひきこもりが長期化し、親も子も高齢化してきており、経済的負担が厳しい状況になってきておりますので、赤い羽根共同募金からの助成金は参加費の負担軽減の面からも大変助けられております。
募金を下さいました多くの皆さまに心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
公益財団法人 モラロジー研究所の刊行物です。参考にして下さい。
□「ニューモラル 心を育てる言葉」より
モノに当たっていませんか
自分の思うようにならない状況に直面して怒りや不満を覚えた経験は、誰にでもあるでしょう。
しかし、その感情をどのように処理するかは人によって違います。高ぶった感情をそのまま言葉や態度に表わす人。表に出さず、自分の心の中で押し殺す人。中には、つい身近なモノに当たってしまうという人もいるのではないでしょうか。
感情を持たないモノからは、どう扱っても反論は返ってきませんが、そもそもモノ自体に罪はありません。勝手な感情をぶつけるのは筋違いというものでしょう。
車や電話、靴、食器など、日ごろ使うモノに向けて、お世話になった人にするのと同じように「ありがとう」と声をかけてみましょう。それでモノが喜んだり元気になったりするわけではありませんが、自分自身の「感謝」が引き出され、心が豊かになるのです。それを日々積み重ねるうちに、豊かな人間性が育まれていくでしょう。
《会長コラム》
時は春爛漫!今年の桜は開花から満開まで短時間で進み、まさに一気にわっと咲いた感じで珍しいとのこと。静岡まつりも桜お天気ともドンピシャで、人出もすごかったようです。
私は今朝、花吹雪の中を散歩してまいりました。つかの間の幸せでございます。
これからは新緑の候、1年で最も輝かしい季節です。
目線を少し上げて楽しみたいものです。
初めてご参加の方、初回は体験として無料です。その後よろしければいつでも入会手続きができます。年会費は6000円で、出席した時には参加費のご負担をお願いします。
その他、いっぷく会へのお問い合わせは事務局までお願いします。
事務局 電話・FAX 054-245-0766 担当 中津川
連続学習会は「赤い羽根共同募金」の助成を受けて運営されています。