活動内容
いっぷく会便り 2017年3月号
平成29年3月1日 発行
NPO法人 KHJ全国ひきこもり家族会連合会 静岡県「いっぷく会」
会長 上杉 博美
日時
|
平成29年2月12日(日)
|
---|---|
テーマ
|
「外への意欲と親の対応」
|
講師
|
SCSカウンセリング研究所 カウンセラー 高橋 晋先生
|
会場
|
静岡県男女共同参画センター「あざれあ」
|
PDFファイル201703.pdf
2月例会のご報告
2月の例会は、2月12日(日)静岡県男女共同参画センター「あざれあ」で開催しました。
◆準備会 10時~
15名の参加をいただきました。
まず「いっぷく会便り2月号」「3月18日講演会案内」「3月個別相談会案内」「グループカウンセリング案内」「旅立ち83号」「DanDanしずおか 講演会案内」)を封筒に入れて、参加者への配布、欠席者・関係機関への郵送作業を行いました。そして、いくつかの報告事項、打ち合わせをして、あとは昼食をとりながら楽しい歓談の時間を過ごしました。
場所も例会場と同じですので、弁当持参ですが、例会に少し早めに出かける感じで参加してみて下さい。
親の居場所でもあります。是非とも楽しい時間を共有しましょう。
◆例会 13時15分~16時30分 参加者33名(新規3名、非会員2名含む)
◇連絡事項
ひきこもり講演会、個別相談会、カウンセリングの予定などについて連絡させていただきました。
◇連続学習会
テーマ「外への意欲と親の対応」
講師;SCSカウンセリング研究所
カウンセラー 高橋 晋先生
KHJ本部の方でも、元ひきこもり当事者だったり、若い人が中心になって
活動を広げていて、今ひきこもっている人に対する社会の雰囲気そのものを変えていこうという流れに
なってきています。
1、家族の関係が基本
親自身の感覚だと、子どもの表面の動き、現実の動きがどうしても気になるから、早くなんとか動い
て欲しい、変化してきて欲しいとの思いがあると思うが、子どもが外へ動く時には、その前の段階の
家族との関係が良くなって、より本人が自分と繋がって自分を取り戻したりというのが欠けた状態で、焦りで外に出てしまうと、どうしても空回りして消耗し、またひきこもってしまうという繰り返しが起こりやすいので外へ出る前の段階で家族との関わりの土台ができている。あるいは家の中で成長していることが大事です。
・親子関係
元々ひきこもりの子は、親に対するわだかまりを抱えているのが普通で、それが徐々に関係が好転し
会話も増えてわだかまりなども吐き出した状態、その上で日常の会話も色々な話題について話せる関
係なっていることが望ましいです。更に、どう生きてきたか、どう生きてゆくか、そういった人生観
とか価値観まで出れば最も望ましいです。
しかし、まだあまり信頼関係ができていない時には、子どもの話を聞いて、親の意見は控える位が望
ましいだろうと思います。又、肯定も否定も出来難い話には「ああそうなの~」と受け止める位で。
・兄弟関係
兄弟姉妹というのも関係が良かったり悪かったり色々とあるでしょう。関係が悪い場合、相手はこう
だから駄目だという。親に対してそれぞれが相手を批判しているとき、ある意味で無意識の部分、親
の愛情の奪い合いをしていることが多いです。1対1でいる時に、気持ちを受け入れる対応をしてあげ、それを積み重ねて各々気持ちの余裕が出てきたら自然と関係が和らいでくると思います。
2、外への興味・関心から
・日常の行動、話題の共有
親・家族と話ができる。尚且つ家の中で自分のやりたいことがやれ、気持ちが安らいできて、エネル
ギーが出てきた時、次に進めるチャンスとなりますね。見極めが大事になります。
・親からの提案・誘い
子どもに余裕が出てきてから、外への興味・関心の方へ誘うなどの提案が良いと思います。ただ信頼
関係が十分でないと、無理に動かされるという警戒感が出てきます。子どもの状況を見ながら取り組
むことが必要になります。(興味・関心のありそうなものへの誘いなど)
日常のことでは、買物とか食事に誘ってみるとか、家事や料理の手伝いなどもありますね。
そして時には家族旅行などに誘ってみるのもありだと思います。
3、訪問と居場所での関わり
・訪問のタイミングと相性
外への繋がりの一つとして訪問的にやるというやり方もありますが、無理すると不安が多くなります。
話が出たら早くなどタイミングが大事です。人間同士ですから相性というものもあります。
・居場所に行きはじめて起こること
動き始めた時にいっぱいストレスを貯めて帰ってくる。周囲に気を使ってですね。愚痴もいっぱい出
るでしょうが、それを家で受けとめて吐き出させてあげることが大事です。
4、仕事・社会参加
・支援団体の情報
親の会とか、ひきこもり関連先に親が参加しているという情報は、子どもに見える形で置いた方が良
いでしょう。親が親自身の為に勉強しているんだということで。親が留守の時見るかもしれません。
子どもの目に止まるのもいいですね。色々な情報を集めておくと良いでしょう。
・短期(1日限りなど)の身内の手伝い等の提案
家の中でできるパソコンなどの用事、洗濯物の取り込み、子どもにとって無理なくできそうな事を頼
んでみる。料理などもやってみればいずれ親元を離れた時、共同生活とかで役立つことになるのでこ
れらもありです。又、親戚などの仕事の手伝いもありますが、長期でやることは避けた方が良いですね。
動き始めた時は、まだ現実体験が少ないので失敗しがちです。立直らせようとすると逆に大変です。
まずは短い期間で始めるのが良いですね。
・本人が自分で仕事を見つけたとき
最初は割と短かめで辞めて、又自分でチャレンジして入れるところへ入って、辞めてみたいなことを
何度か繰り返して、現実の厳しさが分かったうえで、現実の中で体を動かす体験を重ねていくと良い
ですね。例えば、忙しい時の官公庁とか、期間がある程度限られている場合だと、大変でも「頑張っ
てみよう」みたいな感じで受けとめられて良いでしょう。
体調悪くて行けない時、本人から連絡するとかができなければ、親の方から代わって連絡してあげる
などマイナスの葛藤を引きずらないように、早やめに対応してあげるという事もありです。
5、親の役割
・不満・愚痴の受け皿になる
バイトとか始めたりして動き始めた時に、いっぱいストレスを貯めて家に帰ってくる。周りの人を気
にするし、不快感を与えない為に言われたことをすべて飲み込んだりして、ストレスをいっぱい貯め
こんでくる。それを家に帰ってきて愚痴として親に吐き出せるかどうかというのが一番大事なことの
一つで、話すことで段々と自分を客観的に見れるようになるのですね。
・本人が考えるよう促す(相づちなどの工夫)
居場所とかでも行きはじめに同じような愚痴が出てくるようになるので「そうだね、大変だね」寄り
添う言葉をかけ、成るべく先回りをした動きはせず、それにより本人が考えるようになると良いですね。
・人間関係についての愚痴・相談
バイトなどで大変そうだと思った時「無理だったら辞めて、又別のものを探すのもありよ」という感
じで選択肢を与えるのも良いです。逃げ道を用意してあげるような感じです。
・何か溜め込んでいるのを察する
行動・言動からの変化を観察しておき「どう~」などの声をかけてあげる。
・次に二人組になって
自分の子どもが、いま外のどこを向いているか? どこを向いていると思うか?(興味・関心が)
話し合った。
・この後質疑の時間をとって、丁寧に応答いただきました。
概略こんな学習会をして頂きました。
ありがとうございました。
(今日は時間の関係でグループでの話し合いは
中止しました)
新しい年度が始まります!
4月例会と「総会」のお知らせ
日時 : 平成29年4月9日(日)13:15~16:30
会場 : 静岡市番町市民活動センター 2F 大会議室
13:00より受付
13:15~14:00 平成29年度総会
14:00~16:30 連続学習会
テーマ「ひきこもり・親の取り組みが必要」
講師 一般社団法人SCSカウンセリング研究所代表 桝田宏子先生
(当日のテーマに関する質疑応答含む)
いよいよ平成29年度の連続学習会が始まります。また、4月の例会は年度総会の月
でもあります。昨年度の活動を振り返り、新たな年度について話し合いを持ちます。
いっぷく会は皆様から会費をお預かりして運営させていただいております。
是非、総会にご出席いただき、いっぷく会にご支援、ご協力をお願いします。
参加費 お一人500円 当事者は無料
助成金を申請中でどのようになるかわかりませんが、財政的に
余裕がありそうですので、しばらく従来通りと致します。
(初めて参加される方は体験日として無料で参加できます)
尚、当日は同場所で10:00より例会準備会を行っています。会報の郵送作業や家族同
士の歓談などを行っています。家族、当事者の方など、どなたでも参加できます。
例会時とは一味ちがった雰囲気で気楽なお話もできます。また、また居場所として活
用するのもひとつの方法ですよ。是非、皆さんのご参加をお待ちしています。
「個別相談会」のお知らせ
日時:平成29年 3月25日(土)、26日(日)
場所:静岡市番町市民活動センター 2階 会議室
☆25日(土) 9:30 ~ 17:00 小会議室
18:00 ~ 21:00 中会議室
☆26日(日) 9:30 ~ 18:00 小会議室
(カウンセラー) 「人間関係と心の相談舎」代表 菊池 恒 先生
相談時間 1家族=50分 80分 110分の各コース(会員限定・有料)
お申込み・お問い合わせは TEL・FAX 054-245-0766(中津川)まで
講演会のお知らせです
日時:平成29年3月18日(土) 受付 13時より
講演会 13時30分~15時
質疑応答 15時~15時30分
会場:静岡県男女共同参画センター「あざれあ」4F 第2会議室
演題 「 ひきこもりと精神疾患 」
精神疾患の有無と医療 ~ひきこもり支援~
講師 精神科医・医学博士 青島 多津子 氏(溝口病院医師)
今回は「KHJ全国ひきこもり家族会連合会の精神科医による支部研修推進事業」
の一つで、本部より助成金をいただき、静岡市、NHK静岡放送局、静岡新聞社・
SBS静岡放送の後援を得て開催するものです。広く、会員以外の方にも参加を呼
びかけております。参加費は無料です。当日直接会場にお出かけ下さい。
会長コラム
学校訪問で、不登校と聞くことが多く、子供をとりまく急速な社会の変化は、生活環境を大きく変えてしまっています。少子化の影響で、子供達が自主的に集団を作って外で遊ぶことが減り、ゲーム、塾や習い事で集団で遊ぶ空地や小山、林、公園が少なくなってきたことが要因となっているのではと思っています。子供達は、増えるストレスで「悲鳴を上げている心」は子供のころからの蓄積が今の鬼子達ではと思っています。心のケアは安心していられる環境からと思っています。私の母も手術して、リハビリをしながら元気を取り戻しつつあります。
春はそこまで来ています。長い間、協力して下さったこと、有難うございます。これからも、静岡らしいいっぷく会で会員が元気になれる会でありますことを願っています。
初めてご参加の方、初回は体験として無料です。
その後よろしければいつでも入会手続きができます。
年会費は6000円で、出席した時には参加費のご負担をお願いします。
その他、いっぷく会へのお問い合わせは事務局までお願いします。
事務局 電話・FAX 054-245-0766 担当 中津川
連続学習会は「赤い羽根共同募金」の助成を受けて運営されています。