活動内容
いっぷく会便り 2016年8月号
平成28年8月1日 発行
NPO法人 KHJ全国ひきこもり家族会連合会 静岡県「いっぷく会」
会長 上杉 博美
日時 |
平成28年7月10日(日)
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テーマ |
「 心得の一、社会資源の利用と限界 」
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講師 |
人間関係と心の相談舎 代表 菊池 恒 先生
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会場 |
静岡市番町市民活動センター
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PDFファイル201608.pdf
7月例会のご報告
7月例会は、7月10日(日)静岡市番町市民活動センターで開催しました。
◆準備会 10時~
15名の参加をいただきました。
まず、「いっぷく会便り7月号」を封筒に入れ、参加者への配布、欠席者・関係機関への郵送作業を行い
ました。そして、いくつかの報告事項、打ち合わせをして、あとは昼食をとりながら楽しい歓談の時間を
過ごしました。
場所も例会場と同じですので、弁当持参ですが、例会に少し早めに出かける感じで参加してみて下さい。
親の居場所でもあります。是非、楽しい時間を共有しましょう。
◆例会 13時15分~16時50分 参加者29名(初参加2名含む)
◇会長挨拶;会長欠席のため。代理で中谷副会長から出席の御礼など申し上げた。
◇報告事項;①7月の個別相談会、現在2枠の空きがあります。希望者は申し込み下さい。
②28年度の正会員50名、賛助会員2名でのスタートになりました。このところ減少傾向ですので
困難を抱えているような方がおられましたら是非お誘いください。
③講演会のお知らせ 7月16日(土)静岡市支援センター主催 溝口病院 青島多津子先生
(ひきこもり関連)8月27日(土)島田市社協主催 サンフォレスト 三森重則先生
9月23日(金)菊川市社協主催 人間関係と心の相談舎 菊池恒先生
④8月の講師変更について 桝田宏子先生から藤江幹子先生に。テーマは変わりません。
⑤KHJ本部の総会関係で、現在全国60支部ある中の「いっぷく会」は静岡県支部であること、
理事長の交代人事があり、中垣内、伊藤の両氏が共同代表になったこと。体制も大きくなり、
組織的な運営が行われるような方向になってきているのではないかとの報告がありました。
◇連続学習会 13時25分~16時50分
テーマ「 心得の一、社会資源の利用と限界 」
講師 人間関係と心の相談舎 代表 菊池 恒 先生
まず初めに、このような「学習会」と「カウンセリング」で話すことは
別だと思って下さい。
それを「家を建てる」例を元に話された。必要なものとしては、土地、設計図、
材料、道具などがある。
「子どもの未来ががこうなっていけたらいいな‥‥」という「設計図」が大事ですが、
そのためには、どんな「材料」を使うか、そして建ててゆく時に使ってゆくのが「道具」です。
その「道具」が今日のテーマである「社会資源」だと思って下さい。
学習会で行うのは、土地とか基礎の部分まで行いますが、カウンセリングは、一般論では判断
できない具体的な個別のことについてどのように取り組むかという話になります。
1、コミュニケーションの心得
①コミュニケーションとは何か=今一度考えると‥‥
「概念の精査を図るために行われる相互作用及び内的作業のこと」
簡単に言うなら「思っていること、感じていること、考えていることの違いや同じ部分を見つける
ための会話ややり取り、自分を振り返る作業のこと」と言えるでしょう。 どれ位共通点があるの
か探してゆくために会話するのです。言葉をかけたり、表情を見たり、行動を見たりしてする全部
の作業です。
②心得五つ=したたかに生きるために‥‥
「兵士の心得」というのがあります。これを参考に「コミュニケーションの心得として五つ」
1、コミュニケーションをとる時は、最後まで手を緩めぬこと。
2、相手の気持ちとか心の動きを予測して、相手の予測を裏切れ。(相手が思いもかけないところへ)
3、周囲の状況を知り、利用できる物は何でも利用する。
4、まず安心することを考えてコミュニケーションを取れ、それを考えずに突っ込むのを匹夫の勇
という。(匹夫の勇とは、思慮分別がなく、ただ血気にはやる勇気のこと)
5、カウンセラーも本も(他のことも)信じすぎてはいけない。(他に対応できなくなる、応用が
きかない)
2、社会資源とは何か/その利用方法
①今利用しているもの/今後利用できるもの
「社会資源」とは、「社会は、その規模の大小を問わず、一定の課題を解決したり、特定の目標を達
成したりしなければならないが、そのために動員される道具的・手段的価値物を社会資源とよぶ。」
みんなで、ひきこもりからの回復に必要な「社会資源」を上げて見た。
ひきこもり地域支援センター、保健所、精神福祉センター、サポステ、ハローワーク、病院、社会
福祉協議会、家族会、親の会、居場所、カウンセラー、就労支援、NPO法人など色々と上げられた。
これらを区別してゆくと、行政などで行っている「公的なもの」と「民間的なもの」 更に「団体
として行っているもの」と「個人的に行っているもの」 又、社会の制度として決まっているもの
など 色々とたくさんあげられた。
社会参加してゆくにあたって、これらの「社会資源」が段階的に必要になる可能性のあるものです。
どれも必ず必要とは限らないが、このような資源があるという情報をもっているかいないかで、段
階的に有用な情報とか、場所とかの提供できるかどうか‥‥が決まってきます。
②メリットとデメリット、そしてバランスと必要性
社会資源には、それぞれメリット、デメリットがある。例えば、有料・無料などの費用面、親身に
なれる・なれない、などの内容的なもの、よく考えて利用するのが良いです。
どれをどう使うか? その子の段階、状況に応じて考えてゆく必要があります。
ただ、それぞれ万能ではない。「限界がある」ということを認識しておくことが大切です。
3、何に一番重きを置くのか
①振り回されるか、それともコントロールするのか
社会資源の利用では、主導権はあくまで私達にあるということです。私達自らの判断です。
使うのは私達ですから、振り回されないことが必要です。何に一番重きを置くか‥‥常に意識して
いることが肝要です。しかし、特に薬などにおいては急激には変えないというのも必要です。(様
子見ながら)
社会資源を使ってゆくには、 ・情報を多く集めること。 ・子どもに情報をやるだけではなく、
自ら足を運んで調べる、体験することなどして、その内容をよく知ることも大切なことです。
そして次のようなことも認識しておく必要があります。
・左右のバランス。「右をカバーしようとして使うのは左」
(悪い方をカバーして逆の方に負担をかける)
・感性と理性のバランス。
(感受性が強い、研ぎ過ぎた刃物は使い物にならない ⇒ 感受性を豊かに‥‥)
・歪みはどういう部分にでるか。
(歪みは弱い方に出る。身体でも弱いところに出るので、血流を上げる、ほぐす。家族関係では歪
みが弱い子どもに出るということです。)
②見せかけのナヴィゲート・・・もしも受容するならカウンセラーは‥‥?
同じ社会資源と言っても、ピンからキリまでです。一発で巡り合えるとは限りません。足を運んで
みるしかないですね。特にドクターとかカウンセラーは相性もあります。どのように対応してくれ
るか、信頼できるかなどで判断した方が良いでしょう。
4、物事を感性的に、本質的に捉えること
①Don’t think. Feel
映画「燃えよドラゴン」の中に出てくるセリフ。「考えるな 感じろ」
子どもに向き合う時、考えると同時に感じること。心の中はどうなのだろうか? どんなことを考
えてこのことを言っているのか? 言っていることの裏にある心を感ずる。
②大きな流れでさえコントロールできる
・心の位置、身体の位置、そして魂の位置。
・「ひきこもり」から社会を見下してはならない。
当事者は、社会から自分が見放されてしまったとか、社会から置いてきぼりをくらってしまった、
自分だけ別世界に取り残されたという感覚をもっています。すると大体は自己否定できて、仲間は
雲の上存在に思える。これが自己肯定になって逆転する時がある。(社会が悪い、大人が悪いなど)
どんな社会であろうと、対等となって相手も必要なのだとして、決して見下してはならない。
・「十把一絡げ」な対応では頭打ちを迎える。
最近のひきこもりは、そのきっかけとなる原因が、ネットの普及などで複雑になっている。
また、発達障害もある。どの段階で(原因も)どういう心の傷を受けて進んできたか、掘り下げ
ていかないと難しくなってきた。どのケースも同じ対応でよいとは言えません。
おおよそこんな内容の学習をさせていただきました。ありがとうございました。
◇グループでの話し合い
4つのグループに分かれて、今日学んだ「社会資源」について、利用した経験などの情報交換を
中心に自由な話合いをしました。
KHJ本部の総会が開催されました
去る6月26日(日)通常総会・全国支部長会議が東京で開催され、当会からも中村副会長が出席しま
した。この総会で理事長の交代がありました。 池田佳世理事長が退任、「名誉会長兼理事」となり、
新たに二人の理事長が誕生しました。
伊藤正俊氏(NPO法人からころセンター理事長)「地域福祉、行政連携などを担当」
中垣内正和氏(ながおか心のクリニック院長) 「医療関係を担当」
その他の理事の交代もあり、新たな体制でのスタートとなりました。
スタッフも12名と充実し、全国の支部も60となりました。
本部と支部が連携体制をもって、取り組むことがあらためて確認されました。
尚、7月20日には、事務所も下記に移転をいたしました。
〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-16-12-301 (電話、FAXは変更ありません)
9月例会のお知らせ
日時 :平成28年 9月11日(日) 13:15 ~ 17:00
会場 :静岡県男女共同参画センター「あざれあ」 4階 第2会議室
< 連続学習会テーマ >
『 我慢が“見せかけの回復”を生む 』
(講師)一般社団法人 SCSカウンセリング研究所
カウンセラー 臨床心理士 桝田智彦 先生
参加費:今年度は、赤い羽根共同募金から助成金を戴きましたので、
お一人ワンコイン! 500円とさせていただきます。
(初めて参加される方は体験日として無料で参加できます。)
(当事者の方は、いつでも自由に、無料で参加できます。)
尚、当日10:00より例会準備会を同場所で行っています。会報の郵送作業や家族
同士の歓談などを行っています。家族、当事者の方などどなたでも参加できます。
例会時とはひと味ちがった雰囲気で、気楽なお話も出来ますよ。また、居場所として
活用するのもひとつの方法です。是非、皆さんのご参加をお待ちしています。
会長コラム
八月に入って、週末の夜になると花火の音が聞こえてきます。まだまだ暑さ厳しい日が続きます。
夏で体力も落ちてきま すので、健康管理、十分にして下さい。
子供達のためにも、親が元気で家庭の中を明るくして、親が自分の人生を楽しく過ごす事から始め
ましょう。子供に楽しい気持ち(心の中)が伝われば、子供の心の中が楽になり、楽しさを伝えれば、
気(持)だけでも、ホットするのではないかなと思います。
もう一度、足元を見直して子供のためになる事を。
初めてご参加の方、初回は体験として無料です。
その後よろしければいつでも入会手続きができます。
年会費は6000円で、出席した時には参加費のご負担をお願いします。
その他、いっぷく会へのお問い合わせは事務局までお願いします。
事務局 電話・FAX 054-245-0766 担当 中津川
連続学習会は「赤い羽根共同募金」の助成を受けて運営されています。