活動内容
いっぷく会便り 2018年3月号
平成30年3月1日 発行
NPO法人 KHJ全国ひきこもり家族会連合会 静岡県「いっぷく会」
会長 中村 彰男
日時
|
平成30年2月11日(日)
|
---|---|
テーマ
|
「親の取り組み・子の反応」
|
講師
|
SCSカウンセリング研究所 カウンセラー KHJ千葉県「なの花会」理事長 藤江 幹子氏
|
会場
|
静岡県男女共同参画センター「あざれあ」
|
PDFファイル201803.pdf
2月例会のご報告
2月例会は、2月11日(日) 静岡県男女共同参画センター「あざれあ」で開催しました。
◆準備会 10時~
14名の参加をいただきました。まず「いっぷく会便り2月号」「3月個別相談会案内」「平成30年度グループカウンセリング募集案内」を入れて、参加者への配布、欠席者・関係機関への郵送作業を行いました。そして、いくつかの報告事項、打ち合わせ事項について話し合い、あとは昼食をとりながら楽しい歓談の時間を過ごしました。場所も例会場と同じです。弁当持参ですが、例会に少し早めに出かける感じで参加してみて下さい。都合のつく時間からで構いませんので、是非ともゆっくりした時間を共有しましょう。
◆例会 13時15分~16時30分 参加者40名(当事者1名、初参加者8名含む)
◇挨拶と連絡事項
中村会長;寒い日が続いていますが風邪などひかないようにお大事にしてください。
昨2月10日、作家の石牟礼道子さんが90歳で亡くなられましたが、長年水俣病に関わってきた人となりを紹介、私どもも子どものひきこもりという現実を受け止めて「何で私らだけ?」と思わないで下さい。根気よく学習を深めて問題を乗り越えていきましょう。
連絡事項;2月24日の公開講演会、2月17日富士・富士宮市域子ども若者支援機関合同相談会、2月18日生活困窮者自立支援シンポジウムの案内をした。
グループカウンセリングの4月、6月の会場が「労政会館」に決まった旨案内をした。
◇連続学習会
テーマ「親の取り組み・子の反応」
講師 SCSカウンセリング研究所 カウンセラー
KHJ千葉県「なの花会」理事長 藤江 幹子氏
・初めての方もおられるので・・ということで自己紹介。自分も長男が不登校になり、あちこち相談したりして学習をした。そしてSCSにたどり着き、20年以上にわたりこの課題に取り組むことになりました。
・この学習会では、自分のこと、子どものことなどを話したり、聞いたりします。お互いに安心して話し合えるのは「この場所で出る話はここだけのこと」を基本として下さい。家に帰って夫(妻)に「こんな事例が・・」と言う程度に夫婦での話し合いにするのはありですね。両親での参加が一番望ましいことです。
・この会でも、色々な講師を招いていらっしゃいますが「変わる良さ」と「変わらない良さ」があります。
広く考えることも大事ですが、親が対応にぶれないことが一番大事です。基本をしっかりと身につけて下さい。
・学習会に来ても、家に帰ると「何を学んだか忘れてしまう」そういうものです。それを継続して学習すると覚えられるようになったり、身についてくるものです。継続が大切です。それにより必ず子どもが変わります。
・「8050問題」経済的なことも大事ですが、先ず生きるすべ(気力・体力など)を知らないと生きていけません。
それを育ててゆくのは、親子の関係を整え、土台作りをしっかりと作ることだと思います
1、我が子を肯定できますか?
例えば、自分の子が「10年も風呂に入っていない」「10年も口もきかない」そういう時にどうしますか?
はじめはとても肯定できないと思いますが、自分の常識感が破られる、広げられることによって違ってくる。
ひきこもりは、親の責任でも子どもの責任でもないんです。色々な人に関わってきて今があります。
親ができることは、勉強して、本人が必要なものをサポートしてあげる。一緒にやってゆくということです。
子どもの心の深い部分を理解できるようになる。どんなことでも肯定してあげるのです。
なかなか時間がかかりますが、少しづつ変わってくるようになります。
ひきこもっている人はとても常識人なのです。(やっていることは非常識かもしれませんが)今の自分を「良いな」とは思っていません。だから「大好きだよ」「大事な子だよ」と親が肯定の言葉を繰り返し言う。
それにより「こんな自分でもいいんだ」と「自己肯定感」が生まれてくるのです。
2、安心してひきこもっていますか?
親子の間でも、心も身体も緊張しているのが本人達です。常に緊張感を持っています。
「無条件に肯定する」これで親子の間の緊張感がじわじわと取れてくるのです。
そして「安心感」が得られるようになるのです。「これでいいんだ」と自己を肯定できることです。
自分に正直に言えるようになると良いです。
3、子どもの反応が現れる。
安心して、心も身体もリラックスしてくると反応してくるんです。
SCSで提唱している「親育ち・親子本能療法」にもありますが、ある日突然高熱が出たり、心や身体が緩むと反応してくるのです。身体の緊張が緩んでくると感覚が戻ってきます。
今迄は親の思いに合わせてきたが、積もり積もった不満が噴出して、親の一番大事にしているものを壊したり、激しい行動になったりします。
こうやって「良くなったな~」と思うと「悪くなったり」、ぶり返しながら元気になってくる。
それを分かっておく必要があります。
4、どんな感情も大切なもの。
ひきこもっている人はみんなそうですが、とても親思いです。優しい人たちです。
だから今まで親を困らせないように来た人です。今ひきこもっていても親のことを思っています。
でも本当の優しさというよりも、自分が傷つかないために良い子でいたりしてきたわけです。
親が理不尽なことを言っても親の言うことは従ってきたのです。反抗しなかったんですね。
今まで親の言うことを聞いているから親との関係は良いように思うかもしれませんが、そうとは限りません。
今は信ずることができていないのです。それで親を困らせるような激しい行動に出たりするわけですが、それを親がどう受け止めてくれるか・・・そこが鍵ですかね。
どんなことにも真剣に向き合うことがとても大事なことです。
5、回復するということは?
感情が復活してくる中で色々なことを出して表現してきます。いい感情もあるし、嫌な感情もあります。
どんな感情も大事です。ただ出てきた感情に対して否定してしまうと感情がヒートアップしてしまいます。受け入れられると、肯定されると感情は落ち着いてきます。
「そうか~」「そういう気持ちなんだ」「そうなんだ」と聴いて、しっかり受け止めることがとても大事です。その時は「常識感」は抜きにして「無条件」で聴いてあげることが大事です。
それにより、自分というものが育ってくる。そして回復に向かってゆく方向です。
自分というものを出してくることがとても大事です。まず子どもの一番の理解者になって進めて下さい。
・兄弟姉妹の関係はどうあったらよいか? 基本は巻き込まないのが良いと思いますが、少しでもわかってくれて、理解してもらえると良いですね。出来たら繋がっていてくれると助かります。
それぞれの生活もありますから、経済的には難しい面があります。でも理解してもらうことが大切です。
・いづれにしても、親は根気よく「家族心理を学ぶ場」として継続して取り組んでください。年数がかかることもありますが、必ず結果は出ます。それを信じて取り組んでまいりましょう。
概略こんな学習をさせて頂きました。ありがとうございました。
4月例会と「総会」のお知らせ
日時 :平成30年4月8日(日) 13:15 ~ 16:30 (受付 13:00~)
会場 :静岡市番町市民活動センター 2F 大会議室
13:15~14:00 平成30年度総会
14:00~16:30 連続学習会
テーマ:長期高齢化の課題~本人への対応&家族の支援~
講師 :NPO法人オレンジの会 理事 社会福祉士 鈴木 美登里氏
※事前の参加申し込みは必要ありません、当日会場へお越し下さい。
<参加費>今年度も赤い羽根共同募金からの助成金交付が決定しましたので1家族 500円、 初参加の方および当事者の方 無料
4月の例会は年度総会の月でもあります。昨年度の活動を振り返り、新たな年度に向けて話し合いを持ちます。いっぷく会は皆様から会費をお預かりして運営させていただいております。是非、総会にご出席いただき、いっぷく会にご支援、ご協力をお願いします。
尚、当日10時より準備会を同場所で行っています、是非、皆さんのご参加をお待ちしています。
「個別相談会」のお知らせ
日時:平成30年 3月24日(土) 9:30 ~ 21:00
25日(日) 9:30 ~ 18:00
26日(月) 9:30 ~ 12:00
場所:静岡市番町市民活動センター 2階 小会議室
(カウンセラー) 「人間関係と心の相談舎」代表 菊池 恒 先生
相談時間 1家族=50分 80分 110分の各コース(会員限定・有料)
お申込み・お問い合わせは TEL・FAX 054-245-0766(中津川)まで
講演会を開催しました。
2月24日(土)グランシップ908会議室で、いっぷく会主催の公開講演会を開催しました。
講師に、ジャーナリストの池上正樹氏を迎え、
テーマは『ひきこもり「8050問題」を考える』~ひきこもりを抱える家族のために周囲は何ができるか?~
当日は、会員28名に加えて一般の方(家族・当事者・支援者など)53名で81名の参加があり、この問題に対する関心の高さがうかがわれました。
中村会長の挨拶に続き、静岡市子ども未来局青少年育成課 豊田博幸課長のご挨拶で開始しました。
当日のレジュメから以下のような内容でした。
1、収入のない子と親の高齢化が進む現実
2、なぜ大人のひきこもりが増えているのか
3、恥ずかしいと思ったまま行動するのは難しい
4、親の心情
5、メールしてくる当事者の共通する傾向
6、当事者が大事にしているもの
7、当事者が求めるもの
8、地域の「ひきこもり」全体像
9、元気なうちに、親としてどう対応するか
10、親亡き後、子はどう生きるか
そして、自らも関わっているひきこもりに対する各種活動について紹介していただきました。
ひきこもっていても決して恥ずかしいことではない! 誰でも起こり得る、自分も将来そうなるかも・・・家族が動けば、社会は変わる。そんな地域づくりが、動けなかった家族を救う。
《会長コラム》
弥生三月です。私の家の辺りは毎年梅、桃、桜と順番に花を楽しめる恵まれた環境です。
しかし、今年は寒さのせいでしょうか梅の開花も遅く、桜のつぼみもまだ膨らみが小さいようです。
本来なら浮き浮きした雰囲気の季節であるはずなのに、いまいち乗れないのは何故でしょうか。
オリンピックで若者たちが頑張ってくれたにも関わらず・・・・・やはり国政でしょう。いつまで国会でドタバタを繰り返しているのか。あげくの果て国民栄誉賞を乱発してお茶を濁すパフォーマンスのみ。情けないのほか言葉もありません。
初めてご参加の方、初回は体験として無料です。その後よろしければいつでも入会手続きができます。年会費は6000円で、出席した時には参加費のご負担をお願いします。
その他、いっぷく会へのお問い合わせは事務局までお願いします。
事務局 電話・FAX 054-245-0766 担当 中津川
連続学習会は「赤い羽根共同募金」の助成を受けて運営されています。