活動内容
いっぷく会便り 2017年2月号
平成29年2月1日 発行
NPO法人 KHJ全国ひきこもり家族会連合会 静岡県「いっぷく会」
会長 上杉 博美
日時
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平成29年1月8日(日)
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テーマ
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「親の本音と子どもとの向き合い」
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講師
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SCSカウンセリング研究所 カウンセラー NPO法人KHJ千葉県「なの花会」理事長 藤江 幹子先生
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会場
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静岡市番町市民活動センター
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PDFファイル201702.pdf
1月例会のご報告
1月例会は、1月8日(日) 静岡市番町市民活動センターで開催しました。
◆準備会 10時~
12名の参加をいただきました。
まず「いっぷく会便り1月号」「KHJ本部依頼のアンケート」を封筒に入れて、参加者への配布、欠
席者・関係機関への郵送作業を行いました。(アンケートは会員のみです)そして、いくつかの報告
事項、打ち合わせをして、あとは昼食をとりながら楽しい歓談の時間を過ごしました。
場所も例会場と同じですので、弁当持参ですが、例会に少し早めに出かける感じで参加してみて下さい。
親の居場所でもあります。是非とも楽しい時間を共有しましょう。
◆例会 13時15分~16時50分 参加者27名
◇連絡事項
ひきこもり講演会、個別相談会の予定などについて連絡させていただきました。
◇連続学習会 13時30分~16時10分
テーマ「親の本音と子どもとの向き合い」
講師;SCSカウンセリング研究所 カウンセラー
NPO法人KHJ千葉県「なの花会」理事長 藤江 幹子先生
今年度もあと3回になりましたが、振り返って如何ですか? 変わりましたでしょうか?
毎月の例会はチェックしてゆくとても良い機会だと思います。私達はどうしても忘れますので、例会
でリセットしながら取り組んでみて下さい。とにかく諦めないでやることが最も大事なことです。
1.子どもの気持ちが分かっていますか?
皆さん「自分の子どもはどんな気持ちでいるのか、どんな感じでいるのか分かりますか?」と問われ
た時、何が出てきますか? 一度考えてみて下さい。
(「よく分からない」が多かったが「よく話してくれて気持ちはわかっている」という発表もありま
した。)
本人達は、自分を取り戻すためにひきこもるという事もあります。自分を守るためにこもっている、
それによって自分がより自分らしくしていることができる、自分作りしたりしている人もいます。
本人の中では、自分はまだどう表現していいかわからない、でも親がそれを受け入れることによって
少しづつ頭がはっきりしてくる。そうすると自分の気持ちが分かってきて回復の方向に向かいます。
色々と親にぶっつけてくる人、親を困らせる人、親にとってはつらい場面もあるが、有難いことですね。
そういうことによって、子どもたちは自分の存在を確認している、傷ついたものが癒されていく、不
安が少し和らいでいく。
親に力がついてきた時に無理な要求が出たりします。だからそんな場合親は自信を持っていいことな
のです。
(逆に親に力がついてこないと、そのような無理難題な要求は出てこないとも言えます)
子どもに要求が出た時には、すぐに対応してあげて下さい。すぐ動く、取り組むことが大事です。
なりふりかまわず、常識にとらわれずです。そして例え病気であっても「無条件の肯定的関心」ですね。
一方、子どもを「受け入れよう」「受け入れよう」とすると、受け入れている内に自分が子どもと一
緒になってしまうことがあります。距離がとれなくなってしまう。「同一化」してしまう。これは決
して良いことではありません。本人が見えなくなってしまいますので、常に適当な「距離感」が大切
です。距離をおくことにより「今はこういう気持ちなのかな~」と思えるようになりますね。
そして、じわりじわりと変わってゆくので、諦めないでやることですね。
ある調査で、ひきこもりの経験をした人まで入れると6人に一人はひきこもりだったそうです。
ひきこもりも一般的になっていますね。
2.向き合うってどういうこと?
「向き合う」というイメージはどうですか?「気持ちの上で正対する」「信頼関係をもって接する」
など色々な意見が出ました。「向き合わなければいけない」と思うと、何となく義務感のようになっ
てしまったりします。そのような親自身の本音は、本人には言えないですが、それをどのように皆さ
んは処理していますか? 親も愚痴を言いたいことがありますよね。そんなことを吐き出す場所があ
ることが大事です。
親の会を利用したり、カウンセリングを受けたりしながら出してゆくなど普段からそのような環境を
作っておくと良いですね。あまり自分を追い込まないで下さい。そして適当に自分をクリアーにしま
しょう。そうすることにより本人達にも向き合うことができますね。向き合う時、自分の言葉と行動
が一致しているかどうか、一致していると言葉はとてもクリアーになって,相手の気持ちに通じてい
きます。
3.親としてためされるとき?
事例研究「子どもが職場でいじめられ、相手を殺してやると言って行動を起こそうとした。」さてあ
なたならどうしますか?
3人が一組になって話し合った。「一緒に行く」「俺が代わりに行く」「警察に連絡」など色々と出た。
向き合い方は色々あると思うが「親が本気で本人の気持ちになって向き合いました」そうしたら本人
の気持ちはおさまりました。どんな時でも、本人の気持ちを理解して取り組めるかどうかですね。親
の本気さ、真剣さで気が済んだのですね。
本人も生きることに必死ですので、日頃静かな人でも人生かけてひきこもっているので、心が動いて
回復し出した時には親の能力を超えます、そんな時には、自分だけで考えないでこの会の仲間とかに
も相談しながらやって下さい。
そして大切なことは「自分を受けとめてくれる場所(家)と親の笑顔です」という事も言われます。
悩み過ぎて親が笑顔を忘れないで下さい。
親が理解できないような行動や言動は、「そうなんだね~」「ああそんなふうに考えるんだ~」「そう
か知らなかったな~」と明るくつき合うといいです。
親が一番望んでいる事は、我が子が元気になるという事ですよね。
4.本気、本音、本物でないと届かない。
皆さん、こんな時にどうしますか? という経験をしてみました。
それは「あと5分で子どもが死んでしまう。その時にあなたはどんな言葉をかけますか? どう過ご
しますか?」
3人一組で親役、子ども役になって体験してみた。色々な発表があった。
5分間という限られた時間の中で、どんなことをしようか? その時の言葉や行動は、心の中から出
てくるのだと思う。そんなことを日々の生活の中で「何を伝える」「何を交わす」そんな瞬間が1つ
でも増えると良いですね。
言ってもらう方もきっと嬉しいし、生きる喜びになったり、生きる力になってゆくのだと思います。
あと5分というところで心の密度が違うのですね。
概略こんな学習会をして頂きました。ありがとうございました。
この後質疑の時間をとって、丁寧に応答いただきました。
◇KHJ本部のアンケートに記入提出頂いて順次解散しました。
(グループでの話し合いは、今日は中止としました。)
3月例会のお知らせ
日時 :平成29年 3月12日(日) 13:15 ~ 17:00
会場 :静岡市番町市民活動センター 2F 大会議室
<連続学習会テーマ>
『 社会への参加と今後の課題 』
(講師)一般社団法人 SCSカウンセリング研究所 カウンセラー 桝田 智彦 先生
参加費:今年度は、赤い羽根共同募金から助成金を戴きましたので、
お一人ワンコイン! 500円とさせていただきます。
(初めて参加される方は体験日として無料で参加できます。)
(当事者の方は、いつでも自由に、無料で参加できます。)
昨年4月から続けてきました本年度の学習会も当月をもって終了となります。
みなさんそれぞれ感慨があると思いますが、如何でしたでしょうか。
尚、当日10:00より例会準備会を同場所で行っています。会報の発送作業や
家族同士の歓談などを行っています。家族、当事者の方などどなたでも参加でき
ます。また近く講演会を控えており、多くの皆さんに来ていただく方が準備の都
合上助かります。例会時とはひと味ちがった雰囲気で、気楽なお話も出来ますよ。
また、皆さんや当事者本人の居場所として活用するのもひとつの方法です。
是非、多数の皆さんのご参加をお待ちしています。
講演会のお知らせです
日時:平成29年3月18日(土) 受付 13時より
講演会 13時30分~15時
質疑応答 15時~15時30分
会場:静岡県男女共同参画センター「あざれあ」4F 第2会議室
演題 「 ひきこもりと精神疾患 」
精神疾患の有無と医療 ~ひきこもり支援~
講師 精神科医・医学博士 青島 多津子 氏(溝口病院医師)
今回は「KHJ全国ひきこもり家族会連合会の精神科医による支部研修推進事業」
の一つで、本部より助成金をいただき、静岡市、NHK静岡放送局、静岡新聞社・
SBS静岡放送の後援を得て開催するものです。広く、会員以外の方にも参加を呼
びかけております。参加費は無料です。当日直接会場にお出かけ下さい。
グループカウンセリングの参加者募集
ひきこもりの当事者を抱えるご家族に対して、平成29年度も引き続きグループカウンセリング
を実施いたします。5~6家族が1グループになって受けるもので、個別のことに加えて、他の人
の話も聞けるのが特長です。毎月の学習会と並行してご利用ください。
1.日程:隔月(偶数月)第3日曜日午後(1グループ2時間位)
2.場所:東静岡駅近くの「グランシップ」
3.費用:24,000円(全6回分、初回時一括払い、参加者都合での欠席時は返金なし)
4.講師:藤江 幹子 先生 (SCSカウンセリング研究所 カウンセラー)
5.募集人数:12家族(現在10家族継続希望のため 残り2家族です)
6.申し込み先: 090-3952-5810(担当 中村)
会長コラム
いっぷく会の学習会でも、家族支援を通じて本人の変化を生み出す契機を工夫することも勉強してい
ますが、本人は会話はあまり無くても、日常的に家族とともに居ます。一番影響を与える立場にいる
のが他でもない家族なので、日常的な振る舞い、ささやかな対応の工夫で、雰囲気を変えるのは十分
可能です。急に変えることは難しいにしても、少しずつ徐々に変わってきて、本人に少しでも伝われ
ば、学習会の成果ではないですか、頑張りましょう。
私くしの母も胆石で再入院してしまい手術も出来ず、白血球が下がらないと手術も出来ず、来週ぐら
いになるかなとバタバタしています。梅の花もそろそろですね、春もそこまで来ています、元気で頑
張りましょう。
初めてご参加の方、初回は体験として無料です。
その後よろしければいつでも入会手続きができます。
年会費は6000円で、出席した時には参加費のご負担をお願いします。
その他、いっぷく会へのお問い合わせは事務局までお願いします。
事務局 電話・FAX 054-245-0766 担当 中津川
連続学習会は「赤い羽根共同募金」の助成を受けて運営されています。