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活動内容

いっぷく会便り 2021年6月号

令和3年6月1日 発行
NPO法人 KHJ全国ひきこもり家族会連合会 静岡県「いっぷく会」
会長 中村 彰男

日時
2021年5月9日(日)
テーマ
「可能性の限りを尽くすコミュニケーション」
講師
人間関係と心の相談舎 代表 菊池 恒氏
会場
静岡市番町市民活動センター


PDFファイル202106.pdfLinkIcon

5月例会のご報告

5月例会は、5月9日(日)静岡市番町市民活動センター大会議室で開催しました。

◇準備会 10時~
13名の参加をいただきました。まず「いっぷく会便り5月号」「5月23日特別学習会案内」などを入れて出席者への配布、欠席者・関係機関への郵送作業を行いました。
そしていくつかの報告事項、打ち合わせをして、各種情報などについて話し合いました。
あとは昼食をとりながら楽しい歓談の時間を過ごしました。弁当持参ですが、どなたでも例会に少し早めに出かける感じで参加してみて下さい。都合のつく時間からでも構いませんので、是非とも楽しいゆっくりとした時間を共有しましょう。

◆例会 13時15分~16時30分 参加者22家族25名(内初参加1名含む)(オンライン参加6家族)
◇連続学習会 テーマ「可能性の限りを尽くすコミュニケーション」
講師 人間関係と心の相談舎 代表 菊池 恒氏

コミュニケーションとは「意思・情報の伝達」です。一方的ではなくお互いにどう伝え合ってゆくか、そして、どういう手段で、時と場所に応じて伝えるか・・・などを習得することが大切です。
テーマの「可能な限りを尽くす」ということは、「決してあきらめない」という意味でもあります。

1,親が取り組む意味とは・・・
誰でも、幸せな時に「何で幸せ?」という疑問は感じませんが、苦しく・辛い時には「何でこうなったのか?」と問うものです。親もそんな思いがあったと思いますが、必ず意味も理由もあるはずです。
①子どもの状態をどう解釈するか
子どもが「起きられない」「お腹が痛い」など様々な症状が出てきた時「どうしてなのだろうか?」と親が自分自身に問えること。
生き物は追い込まれた時に、体も固くなり、心を閉ざします。つまり緊張、それも自然な流れです。
②立ち返る場所の意味
迷って落ち込んだ時に立ち返る場所、即ち安心できる場所、それは親のもとであり、わが家です。
子どもは絶対的安心感のあるところに戻って、自分を見つめ直すことができるのです。

ここで、◆医療とは ◆医療の考え方 (東洋医療と西洋医療)(ドイツ医術とフランス医術)
◆補完医療と代替医療 統合医療の考え方
◆緩和ケアとは 緩和ケアの考え方 などの学習をした(詳細略)

≪親が心得るべきこと≫
①親子は最初からちがう人間

感じ方、考え方、価値観、主張・・・すべてが違う。別の人間である以上違うのが当然と考える。
②理解できないことが普通である
「理解できない」ということを「理解する」それが最善の理解です。生きてきた社会も違うのです。
③それでもなお・・・
思い、願い、信じ、祈ること。あきらめない意識をつなげられるか。ここが一番大切なことです。

2,コミュニケーションのコツと本質
①コミュニケーションはタイミングが全て

タイミングはつくるものです。待つことも大事ですがそれだけでは駄目なのです。
⇒ただ言えばいい、訊けばいい。 突っ込むだけが能ではない。
⇒ただ黙っていればいい、待てばいい。 受け止めるだけが能ではない。
基本に立ち返るなら、あいさつから丁寧に始める。それは「おはよう」「おやすみ」「行ってきます」「ただいま」、そして「ありがとう」「ごめんなさい」。
コツは、本人が目の前にいなくても必ず声を出すこと。心を込めることが大事なことです。
ただ声かけすればいいというわけでもありません。コミュニケーションは一方通行ではないということ。必ず「双方向で」投げたものは返ってくる。返ったものは再び投げる。その繰り返しです。
◆積極的に待つ、控えめに声をかける。 いつでも臨界状態、臨戦態勢
子どもからいつ声をかけられても大丈夫なように、あるいはいつでも子どもに声をかけられるように、臨界状態、臨戦態勢に心の準備をしておくことが必要です。
意外な質問にも、来た!と思ったらたじろがずに受け取って適切に返すのが「臨戦態勢」です。
親が声をかける時も、子どもがどう返してくるか予想をし、再びどう投げるかも考えて声かけをしてゆく必要性があります。いつも意識していただきたいのです。
②「伝えるもの(内容)」と「伝わるもの(言い方、態度)」
上記のベースになるものが「伝えるもの」と「伝わるもの」です。
・伝えるもの(内容)⇒これは話をする側の考える内容で、具体的なものであり事実、理性的です。
・伝わるもの(言い方、態度)⇒これは話を聞く側の受け取り方で、話し手の言い方、態度のこと。
伝える話の内容ではなくて、雰囲気などの伝わるもので判断します。抽象的なものであり価値、感
性的です。
日常生活や仕事でもよくあります。相手によって素直に受け取れる、それがいい例です。
「人は何を言われたかを覚えていなくても、何を感じさせてくれたかは覚えている」と言われます。
③事実判断と価値判断
1)事実判断≒客観的認識

誰が見てもほぼ一定の見解が可能です。つまり共有性が高く、心理的同調性、感動などは低いです。
2)価値判断≒主観的認識
人によって感じることが異なることです。共有性が低く、心理的同調性、意気投合や感動などは高くなります。
日常会話の中ではこれらが混在し、明確に分けることは難儀ですが、「事実」と「価値」は区別する意識が必要です。
④流れをつくるコツ
接続詞は流れを作ります。「さて」「ところで」「そういえば」有効に使いたいものです。また、きっかけ・話し出しの言葉「今話しかけてもいい?」「実は少し気になっていることがあって」など警戒させないコツ、話出しのタイミングがとても大事です。心がけてみると徐々にコツがつかめます。

3,勘を磨く、感性を磨く
①自然と不自然=判断基準のひとつ

・迷ったらどちらが自然かで判断する。
顔を見て「調子悪そう」「機嫌良さそう」と感じたら、言葉にしてゆくことも大事です。突っ込み過ぎは禁物ですが「ちゃんと見てくれているんだ」と相手は感じます。
そして不自然なことが出てきたら、それにはきっと何かの意味(含み)があるということになります。
・駆け引き=次にどうなるかを予想すること。「親の期待」と「子どもの警戒」
・それまでと違う何か=流れを考慮する。
個別の特性を充分に考える・・・が、消極的になってはならない。
②コミュニケーションの心得
1) コミュニケーションをとる時は、区切りがつくまで気を緩めぬこと。緩めたなら延々と話が続くこともあります。
2)相手の心中を予測して、相手の予測を超えろ。理解をしてくれたと思ってもらえるまで。
3)周囲の状況を知り、利用できるものは何でも利用する。子どもの興味関心を知っておく。
4)まず理解することを考えて話せ、それを考えずに話すのを「匹夫の勇」という。
(ひっぷのゆう=深く考えず、ただ血気にはやるだけの勇気のこと)
5)本もカウンセラーも信じすぎてはいけない。自分の価値観をしっかりと持つことでいいのです。

◆質疑応答から
・今までの流れを急激に変えないこと。良いことでもいきなり変えると相手は警戒します。
ゆっくりと変えてゆくという気持ちが大事です。
・普段の会話もゆっくりと声かけする。間合いをとる。タイミングをみる。
・コミュニケーションは失敗が殆ど。それすらコミュニケーションのネタにして声をかける気持ちで。

このように学習をさせて頂きました。ありがとうございました。

7月例会のお知らせ

日時 :令和3年7月11日(日) 13:15 ~ 16:30 (受付 13:00~)
会場 :静岡市番町市民活動センター 2F 大会議室
連続学習会テーマ:「私のひきこもり体験」
講師:元ひきこもり当事者 橋本 太氏(浜松市在住)

尚、当日は10時より同場所で準備会を行っています。配布物の準備やら、話し合いを行ったりしていますので是非お出かけください。例会時とは一味違った雰囲気で、気軽な話もできます。
皆さんの参加をお待ちしています。
◆会員の方にはオンラインでの参加ができるように準備していますので申し込み下さい。
受付担当: □富士市以東 □静岡市駿河区、清水区 ■静岡市葵区 □藤枝・焼津以西

7月の講師は、KHJ埼玉けやきの会代表の田口ゆりえ氏を予定していましたが、新型コロナウイルス感染問題で、元当事者である橋本氏に急遽変更することにしました。ご了承下さい。

中日新聞 令和3年3月31日掲載 投稿記事より
「ひきこもり 心の傷ゆえ」 パート 橋本 太 51歳

私は自身の三十年間に及ぶ「ひきこもり」生活の後、支援活動を続けている。ひきこもる子どもを持つ家族の集まりで体験を語るときは、どの方も困り果てているのが伝わってくる。初対面の私と話していても大粒の涙を流し、言葉に詰まってしまう方が多い。
私が自宅内でひきこもっていた時、親とは険悪だった。親と子なら、絶対に子どもの方が苦しみが大きいと思っていた。しかし、世界が少し広がって、他の家族を大勢見たときに、親も苦しんでいることに気付いた。どちらの苦しみが大きいということではなく、親子それぞれの形があった。
最近は、ひきこもり体験を語れる元当事者が各地に増え、家族会の全国ネットワークもできて、さなざまな情報を得ることができる。ひきこもりは怠けではなく、おびえ切っているということを、世間が正しく理解してほしい。食いぶちを稼ぐことより、心の傷の方が勝ってしまうことは十分あり得るのです。

~ 特別学習会のご報告 ~

5月23日(日)静岡県教育会館において特別学習会を開催しました。
今回のテーマは「ひきこもりに関わる 福祉諸制度について」とし、講師は、静岡県社会福祉協議会生活支援部より、部長代理の松田智氏、権利擁護課長の海野芳隆氏、同課主事の望月真祐子氏においでいただきました。会場には22名、オンライン9名と計31名が参加されました。
まず講師から、最近のひきこもりに関わる動向についてお話をいただいた。先月には自民党の作業チームから政府に対策を進めるための基本法の制定を求める提言が提出されている。
現在は「就職氷河期世代支援プログラム」により、ひきこもり支援強化事業で各市町に「相談体制や家族交流会」の整備を推進している。(すでに積極的に推進している市町の事例も紹介された)
また、生活困窮者自立支援制度による幅広い支援制度について具体例をあげて解説いただいた。
更に、現在の県内における相談、各種支援体制についても説明いただきました。特に磐田市においては行政が積極的に取り組まれており他の市町にも広がることを期待している。などでした。
質疑応答の中で、会員から各種要望、期待などがたくさん出された。しかし、社協さん自体も「社会福祉法人」という民間団体であり限界もあるが「情報交換をしながら協力関係を進めていきましょう」ということで今日の締めくくりとした。大変有意義な学習会になり、ありがとうございました。

あんなこと・こんなこと

[皆さまからの投稿をお待ちしています]

★声をかけてもなかなか返事が返ってこないことにあきらめてしまい、また返事が来るかどうかの緊張に耐えられず、そのままになってしまうことがほとんどです。返事は返ってこないと思い込んでいる自分がいます。(今度から数でも数えて気を紛らわせて待ってみようか・・・)この会に入会してから、お小遣いを渡せるようになりました。最近は何か本を一緒に渡すようにしています。(直接は嫌がりますので置いておきます)今日の学習で話の出た「どう解く?」(ポプラ社「答えのない道徳の問題」)は是非とも自分の手に取って見てから渡してみたいと思います。読んでくれるかは本人に任せるということで・・・(Cさん)

★菊池先生の個別相談をはじめて受けましたが、自分の気持ちが整理され、目標が少し見えてきたことがよかったです。今月もよろしくお願いします(Dさん)

★自分の気持ちが分からないので対応できません。何を言われても「はあ?」としか言えません。
(Eさん)

★ここ2年間、成人病健診の通知がきて、勧めましたが2回とも「いいよ」と拒否されました。肥満で、高血圧・糖尿病の家族歴があります。歯科、外科など苦痛のある時は「行きたい」と自ら受診しています。慣れたお店なら行くことができますが、心配です。(Fさん)

★ひきこもって1年、23歳、一言も話してくれません。価値観の共有で意気投合、盛り上がりを見つけていきたいのですが、親子でも、年代の差はハードルが高いです。食事やおやつから入って、「初物」「めずらしい」「なつかしい」「おいしい」が話のタネになればと心がけています。(Gさん)


いっぷく会は、会員制で会員の会費で運営されています。会員以外の方もご参加されることは大いに歓迎していますが、その場合は参加費を一回1500円負担して頂いています。ただし初回は体験として無料で参加いただけます。そして年会費6000円(年度途中での加入は月割額)で、加入していただければその後の参加費は無料です。詳しくは事務局まで問い合わせ下さい。
事務局 電話 090-6081-0766 E-mail:ippuku-kai@outlook.jp
電話番号が変わりました。また、ファックスは利用できませんのでご了承ください。

本会の活動は「赤い羽根共同募金」の助成を受けて運営しています。

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