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活動内容

いっぷく会便り 2017年11月号

平成29年11月1日 発行
NPO法人 KHJ全国ひきこもり家族会連合会 静岡県「いっぷく会」
会長 中村 彰男

日時
平成29年10月8日(日)
テーマ
「被害妄想・強迫神経症は必ず伴う」
講師
一般社団法人SCSカウンセリング研究所 臨床心理士 桝田 智彦氏
会場
静岡県男女共同参画センター「あざれあ」


PDFファイル201711.pdfLinkIcon

10月例会のご報告

10月例会は、10月8日(日)静岡県男女共同参画センター「あざれあ」で開催しました。

◆準備会 10時~
17名の参加をいただきました。
まず「いっぷく会便り10月号」「KHJ本部旅立ち85号」を入れて、参加者への配布、欠席者・関係機関への郵送作業を行いました。そしていくつかの報告事項、打ち合わせ事項について話し合い、あとは昼食をとりながら楽しい歓談の時間を過ごしました。
場所も例会場と同じですので、弁当持参ですが、例会に少し早めに出かける感じで参加してみて下さい。
都合のつく時間からで結構ですから、是非ともゆっくりした時間を共有しましょう。

◆例会 13時15分~16時40分 参加者30名(初参加1名、当事者1名含む)

◇会長挨拶と連絡事項
思想家吉本隆明著「ひきこもれ-ひとりの時間をもつ-」を紹介、参考になった。
学習会でも、講師の話を聞くことは勿論大事ですが、それをヒントに、いかに自分の子と向き合うか。
それに尽きるように思います。ヒントにして共に歩んでまいりましょう。
・KHJ全国大会、講演会、個別相談会、事務所探しのご協力お願いについてなど連絡しました。

◇連続学習会
テーマ「被害妄想・強迫神経症は必ず伴う」
講師 一般社団法人SCSカウンセリング研究所 臨床心理士 桝田 智彦氏

  • 今日の学習は「心理学」です。心理学とは何かを説明しますと「正しい方法で、正しい順番に継続的に取り組めば、結果が出るという事です」仮に結果が出ないのであれば、それは何かしらの足を引っ張る原因があるという事です。「私はこれでうまくいった」という経験だけでは同じことをやってもうまくいかないことがあります。
  • 例えば「小遣い」1つとっても、やった方が良いか、やらない方が良いのか?という議論があります。
    ひきこもりから動き始めたらお金が要るのです。やらないと言うことは「ずっとひきこもっていろ」と言っているようなものです。それも小遣いは「今はひきこもっていてもいいのだ、でもいつでも必要になったら使っていいのだよ」というサインになります。振込とか、年1回とかでなく、毎月現金が良いですね。
    いらないと言っても、どこかに置いてやるといいです。必要な時が必ずきます。
  • 20代前半までは、高校入学、大学入学などの節目があるし、考え方も変わりやすいので回復しやすいです。それ以降の節目がない年代は少々つらい面があります。(正しく導いてやれば)
  • 親の取組みが、心理学に基づき正しく取り組まれれば結果は出るのです。勉強に出かけている考え方が「ひきこもっている子がいる自分(親)が困っているからか」「我が子が困っているのを助けたいのか」それだけでも大きく違ってきます。
  • また、ひきこもりは家庭で起きた問題、親の養育の下でそうなったのですから、だから他人では駄目なのです。
    親が手を伸ばさないと始まりません。例えすぐには結果が出なくてもあきらめてはいけないのです。
    更に「焦り」は禁物です。「働くのが当たり前」などという正論は、本人はよくわかっているのです。
    それを言われたら、黙るか、切れるか、逃げるかしかなくなります。子どもが動くのは、安心安全な環境が担保された中でないと絶対動きません。
  • 例えば「突然に高額な宝くじが当たった人は、その後の人生どうなりますか」不幸になる事例が多いと言われています。なぜか?をみんなで話し合った。
    努力しないで、たまたま高額を手にするという結果になったから、高額な資産を扱う「考え方や行動」が伴っていないからですね。守ることをできず、やたら高額なものを買ったりしておかしくなるのです。
  • これと同じで、皆さんの子どもが、たまたまひきこもりから復活したとしても、親の「考え方や行動」が変わっていなければ、必ずぶり返します。本人も、親もどうして回復したのかわからないわけですからね。それには、このような学習会に参加するとか、カウンセリングを受けるとかして、「正しい考え方と行動」を身に付けることが必要なのです。物事には「前提があって結果」があるということです。

 

  • 今日のテーマに入りますが、人間は誰でも「こうありたいという理想の自分と現実の自分がいます」
    それが重なっている部分が大きいか小さいかです。適応できている人は重なりが大きいです。(現実が理想に近い)
    重なりが小さいのは現実と理想の乖離があり、ストレスが大きいです。ひきこもっている子どもは、何らかの神経症状が表われています。辛く苦しさを症状に置き替えることによって心を守っているのです。「こうあらねばならないと思っている自分に苦しめられているのです」
  • こうなっているのは何で? 頭に「良いか悪いかを測る定規」みたいなものが入っているのですが、それを作っているのは親ということになります。この定規に子どもは苦しんでいるのです。
    「神経症も被害妄想も、自分で自分を監視している状態」(その定規で、こうあらねばならないと・・・)
  • では、我が子がどんな理想と現実のズレに苦しんでいると思うか・・話し合ってみた。
    「就学就労」「親子関係」「自身の生活」「対人関係」「他者評価」など「こうあらねばならないという自分と、現実にできていない自分」とのギャップ。これが大きいと絶望になってしまいます。
  • この状態に希望の灯をともしてやれるのは親しかいません。またその灯を守ってやるのも親しかないのです。
    焦りは禁物です。焦ると「正論」(働くべきだとか)が出てきてしまいます。それは一番駄目ですね。

  • ではズレをどう近づくようにしてゆくか? 今日のポイントです。
    心の定規の話をしましたが、親にもその定規はあります。親の定規は、そのまた親の影響を受けて形成されたものでなかなか捨てるというのは難しいです。「人は見かけが9割」という話もありますね。人は視覚情報を一番強く信用すると思っていただいてよいです。言葉で言っても表情に本心が現れると、分かってしまう。だから子どもが言ってきたときに「ああそうか」「そうなんだね」と一旦受け止められるかどうかで、与える影響が大きく変わってくるのです。
    そのことを行動に移してゆくかどうかは別にして、まず子どもの意思を汲み取ってゆく、判断・評価は別にして、まず受取ってゆくことがものすごく大事です。「おうそうか」と聞けるかどうかですね。
    これでズレが近づいてきます。
  • それから、親の定規をヨコにしてください。タテですと上が良くて下が悪い、優劣になってしまいます。親が家でできることは「評価」しないことです。無理な事でも一旦受け止める。「そうか」「うん」「そう」同調したりね。そういうことを磨くだけで全然変わってくるのです。
    安全安心の環境と、子どもの心を一人ぼっちにしなければ必ず欲求感が上がってきます。
  • 子どもはひきこもりになるために生まれてきたのではありません。ひきこもりを良いとは思ってない。
    でもどうしたらよいかわからないのです。まずは、親が「正しい考え方や行動」を学んでいきましょう。
    不登校、ひきこもりは、親が結果を出してゆくのです。どうかそれを忘れないでください。

(その後、質問にも丁寧に答えて頂き、全体での懇談形式で話を進めさせていただきました。)
概略このような学習をさせて頂きました。ありがとうございました。

12月例会のお知らせ

日時 :平成29年12月10日(日) 13:15 ~ 16:30 (受付 13:00~)
会場 :静岡市番町市民活動センター 2F 大会議室
『 家族交流会 ~ いっぷく会・会員の集い ~ 』

12月の例会は、恒例の会員同士の交流会です。
元ひきこもり当事者佐藤佑都さん(9月開催の「つな・かん」に本部スタッフとして参加いただいた方)に、体験談をお話いただいて、質疑応答の時間を取りたいと思います。そしてクイズ、ビンゴゲームなどで楽しい時間を過ごしたいと思います。
詳細はこちらをご覧ください。多くの方の参加をお待ちしています。

※事前の参加申し込みは必要ありません、<参加費> 無料

例会終了後、忘年会が予定されています。(詳細はこちら)
ご都合のつく方は 是非ともご参加下さい

尚、当日10時より準備会を同場所で行っています。会報の発送作業や家族同士の歓談などを行っています。家族、当事者の方など、どなたでも参加できます。むしろ、来ていただく方が多いほうが準備の都合上助かります。例会時とは一味違った雰囲気で、気楽なお話もできます。
また、居場所として活用するのもひとつの方法です。是非、皆さんのご参加をお待ちしています。

【講演会のお知らせ】

テーマ「ひきこもりから我が子が就学・就労へ向かう時に必要なこと」

講 師:SCSカウンセリング研究所 臨床心理士 桝田智彦氏
日 時:平成29年12月10日(日)13時30分~15時30分
場 所:菊川市総合保健福祉センター プラザけやき
参加料:無料 定員30名
主 催:菊川市社会福祉協議会 (いっぷく会後援)
(いっぷく会の例会日と重なりますが、ご希望の方はお出かけください。)

「一般社団法人 OSDよりそいネットワーク」設立について

◆親が元気なうちにできること
OSDは“(O)親が(S)死んだら(D)どうしよう”と思い悩むひきこもりの親の声から生まれ、
KHJ(家族会連合会)の理事達の案で作られました。(理事長 池田佳世氏)

◆親が死ぬ前にすることがあります
子どもを元気にすること。親子関係をよくすること。子どもが一人で生きていけるようにすること。
子どもが人をたよりに、社会に入れるようにすることなどです。
そのため、親が死んでも生活できる資金などが必要です。
資金つくりなどについて専門家の知恵を聞いてみましょう。

◆事務所など
〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-4-2 ☎03-5961-5252 03-5961-5253
ホームページ http://osdyorisoi.jp メール info@osdyorisoi.jp

◆第1回集会
【基調講演】「OSD よりそいネットワークでできること」
12月2日(土)13時~16時30分 於;豊島区生活産業プラザ
講師 鈴木美登里氏(社会福祉士) 参加料 無料

【パネルディスカッション】 理事長 池田佳世氏ほか

詳しくは「いっぷく会」事務局に問い合わせください。(案内が来ております)

【お願い】事務所(活動の拠点)を探しています

いっぷく会では、諸連絡の事務局として、副会長中津川さんの自宅でお願いし、会議、打ち合わせなどは番町市民活動センターを利用させていただいております。
しかし、前々から活動の拠点として、居場所とか打ち合わせ、相談などもできる場所を探しています。
費用負担もあまりできませんし、交通の便とか、場所の問題もありますが、空き家、空き店舗などの適当な物件の情報がありましたら是非ともお知らせいただきたいと思います。
会員皆さんのご協力をお願いします。


《会長コラム》

訳の分からない大義名分なき選挙が終わりました。あんな騒ぎに500億円もの国費を使うとは。
過去2番目に低い投票率、誰が勝った負けたではなく全員が負けたのではないでしょうか。
政治の劣化は止まるところを知りません。
気になるのは若者たちの保守志向です。ネット上で大量に送り込まれる耳触りの良い情報を受け入れてしまい、疑い思考する力が衰えているかもしれません。私たちの子供もPCと向き合っている時間が非常に多いはず、意識して声掛けを心掛けたいものです。


初めてご参加の方、初回は体験として無料です。その後よろしければいつでも入会手続きができます。年会費は6000円で、出席した時には参加費のご負担をお願いします。
その他、いっぷく会へのお問い合わせは事務局までお願いします。
事務局 電話・FAX 054-245-0766 担当 中津川

連続学習会は「赤い羽根共同募金」の助成を受けて運営されています。

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