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活動内容

いっぷく会便り 2017年7月号

平成29年7月1日 発行
NPO法人 KHJ全国ひきこもり家族会連合会 静岡県「いっぷく会」
会長 中村 彰男

日時
平成29年6月11日(日)
テーマ
「もう一度ひきこもる意味を考える」~存在論的ひきこもり論から~
講師
評論家 芹沢 俊介氏
会場
静岡県男女共同参画センター「あざれあ」


PDFファイル201707.pdfLinkIcon

6月例会のご報告

6月例会は、6月11日(日)静岡県男女共同参画センター「あざれあ」で開催しました。

◆準備会 10時~
15名参加いただきました。
まず「いっぷく会便り6月号」「7月~9月学習会の案内」「7月個別相談会案内」「ひきこもり支援講演会」(DanDanしずおか主催7月15日開催)などを入れて参加者への配布、欠席者・関係機関への郵送作業を行いました。
そしていくつかの報告事項、打ち合わせ事項について話し合い、あとは昼食をとりながら楽しい歓談の時間を過ごしました。
場所も例会場と同じですので、弁当持参ですが、例会に少し早めに出かける感じで参加してみて下さい。
都合の良い時間からで結構ですので、是非ともゆったりした時間を共有しましょう。

◆例会 13時15分~16時40分 ; 参加者40名(内初参加1名、非会員3名)
◇会長挨拶 中村会長
最近ひきこもり問題がメディアでもよく取り上げられるようになってきました。重大な社会問題となって来ている表れだと思います。テレビでも強引に引き出し屋が連れ出すような放映がありましたが、「ひきこもりビジネス化」の懸念もあります。このような変化の中で、従来SCSを中心に学習会を行ってきましたが、今年度から色々な立場からの話も聞いてまいりたいと考えて今月は芹沢俊介先生をお招きした次第です。講師紹介(1942年東京生まれ、上智大学経済学部卒業、幅広い分野の評論活動をしている)
長期高齢化が問題になってきておりますので、来年度は、色々な支援組織の話なども聞いたりして情報交換なども取り入れていきたいと考えております。
会員の皆さんからもご希望などを寄せていただけると有難いと思います。よろしくご協力下さい。

◇連絡事項 事務局よりいくつかの事項について連絡しました。

◇連続学習会 13時35分~16時20分
テーマ「もう一度ひきこもる意味を考える」~存在論的ひきこもり論から~
講師 評論家 芹沢 俊介氏

★まずいくつかの質問に答えていただいた内容から・・・

①長期化、高齢化している中で早期の回復を願っているが?
「如何に早く回復させるか」というのは本人不在です。親の希望が優先してしまっているという、
この関わりでいくとまずうまくいかないだろうというのが私の経験などから学んできたことの結論です。まず本人のひきこもっている姿そのものを受け止める。何の判断もなく受け止めるというのが基本です。
「早い回復」は、親の希望です。それが表面に出てくると子どもはすごくつらいです。回復が遅れます。ひきこもっている期間(滞在期)は「回復する為にひきこもっている」これを大事にしてゆくのが基本です。
出来そうになった時期でも「〇〇したら」ではなく「何かしたいの?」この対応で答えが変わってきます。

②本人の希望するものを買ってあげることを条件に、就学を促すことは?
決して効果的ではありません。条件をつけては駄目です。
買って欲しいなら(応じられるなら)条件をつけずに応じてあげるのが良いです。条件をつけると逆効果ですね。子どもが喜びを感じて、それが次のコミュニケーションのきっかけになりますね。

③ネット依存になっているがどうしたものか?
たくさんそのことに時間を使っていると「依存」という言葉が出てくると思いますが、今はこれしかできなということもあります。ネットがあるということは逆に言うとすごく良いですね。
以前はゲームにはまっていたという時期もあります。ネットを通じて他者とのコミュニケーションも出来ているかもしれません。今はネットなしでは若い人は生きられませんね。依存という言葉を捨てましょう。

★「ある」から考えるひきこもり論

①二つのひきこもり観
一般に言われている「社会的ひきこもり」観と、私の言う「存在論的ひきこもり」観がある。
この違いは、支援についての考え方、手法が根本的に違ってくるということです。
「ある」ということは、横に「する・できる」ということをおいて、二つの視点で考えて下さい。
「社会的ひきこもり」は、「する・できる」をベースにした考え方で、本人、当事者が不在で、周りが中心になってしまうと考えられる。そして「あってはならないこと」と否定を軸にしたもので、治療、引き出し支援、社会的秩序(働く・コミュニケーション・結婚)が優先される。
これに対して「ある」と考えるように視点を変えてゆくと、全く違ったひきこもり像が見えてきます。
「ある」ということは「存在」ということで、「今 ここに自分が自分としてある(存在する)」ということから考えていくものです。この状態にあるということを無条件に受け止めようというものです。
支援ということから考えても違ってきます。必要になってくる場合もありますが、最初から治療、引き出しの対象とは考えていません。
「存在論的ひきこもり」は「肯定を軸に 受け止める」だから治療の対象に考えていないのです。

②「存在論的ひきこもり」論
ひきこもりという「状態像」は、病名ではないと言うこと。外からのまなざしが対象化した姿にすぎない。状態像は変化を孕んでいる。いつ動き出すか分からない。本人の内的世界は活発です。
「ひきこもり」という名詞的把握から、「ひきこもる」という動詞的把握へ転換すること。
(固定的・静止的把握から動的把握へ)ひきこもるということにはプロセスがあるという視点です。

③ひきこもることのプロセス――動詞的把握が開く世界
ひきこもるということにはプロセスがあるという視点、だから支援はそれぞれのプロセスに応じてなされるべきである。
ひきこもるには理由がある。「あるべき自己」の危機を回避して損傷した自己の修復を図るというもの。

a.ひきこもることの往路
ひきこもる手前の段階で、様々な前駆症状が出る。(頭痛、腹痛、食欲不振など)
往路を妨害しないこと。速やかに次の「滞在期」に移行することを支えることも大切です。
(無理させず、休ませるなどのことです)これにより「滞在期」が短くて済むのです。

b.ひきこもることの滞在期
「ある自己」の露出、ひきこもる場所は「家庭」、「ある自己」の修復・建て直しで、テーマは「自己治癒」、どれ位の期間がかかるか本人も分からないです。親はゆったりと過ごさせることに配慮する。
自己間関係、滞在期の孤独、たった一人の葛藤。(様々な身体症状が出ることがある)
滞在期の支援、「肯定的に見守る」ことと「美味しい食事」。食べることで親への感謝があらわれる。
滞在期のかかわりの難しさで、終わりがいつくるか分からない事の親の不安です。
「何かできそうだな」と思えてきて「何かをさせてしまうことの危うさ」 慎重な対応が必要です。

c.ひきこもることの帰路
滞在期の終わり、「できる自己」の模索。
支援―引き出すという援助は滞在期の終わりから帰路の過程でのみ有効です。
「何かしたら」ではなく「何かしたいの?」ということでも、反応は全く違います。
又、就労する場合など「履歴を偽るな」嘘は書かない、隠さないこと。親も隠さない、偽らないで。
これで、本人も否定されていないと感ずるのです。

◇幸福論が必要である
不幸の真の原因は、暴虐な欲望である(アラン『幸福論』)
ひきこもっている息子の現実を肯定できないだけでなく、それを不幸と感ずることになる背景。
親の自らの欲望、わが子に就職してもらいたい、人とコミュニケーションをとってもらいたい、結婚してもらいたい。
⇒暴虐意識が希薄--人並を求めてなにが悪いという反応 引き出したい、引き出し人を頼みたい。

主な関係著書紹介(芹沢俊介氏著)
「引きこもるという情熱」2002年 雲母書房
『「存在論的ひきこもり」論 わたしは「私」のために引きこもる』2010年 雲母書房

概略このような学習をしました。(あくまで話を聞いた側の記録です)ありがとうございました。

8月例会のお知らせ

日時 :平成29年 8月13日(日) 13:15 ~ 16:30
会場 :静岡市番町市民活動センター 2F 大会議室
<連続学習会テーマ>
『 体 験 を 語 る 』
(講師)埼玉県在住の主婦 清水 美子さん

※受付は13:00より
※学習会(質疑応答・交流会を含む)は13:15~16:30
※事前の参加申し込みは必要ありません、当日会場へお越し下さい。
<参加費>今年度も赤い羽根共同募金からの助成金交付が決定しましたので
1家族 ワンコイン! 500円
初参加の方 体験日として 無料
当事者の方 無料

尚、当日10:00より例会準備会を同場所で行っています。会報の発送作業や家族同士の歓談などを行っています。家族、当事者の方などどなたでも参加できます。むしろ、来ていただく方が多いほうが準備の都合上助かります。例会時とはひと味ちがった雰囲気で、気楽なお話も出来ますよ。
また、居場所として活用するのもひとつの方法です。是非、皆さんのご参加をお待ちしています。

「個別相談会」のお知らせ

日時:平成29年 7月29日(土) 9:30 ~ 21:00
           30日(日) 9:30 ~ 18:00
場所:静岡市番町市民活動センター 2階 小会議室
(カウンセラー) 「人間関係と心の相談舎」代表 菊池 恒 先生
相談時間 1家族=50分 80分 110分の各コース(会員限定・有料)
お申込み・お問い合わせは TEL・FAX 054-245-0766(中津川)まで

ひきこもり関係講演会のお知らせ(7~8月)

◆静岡市ひきこもり支援センター DanDanしずおか主催
「ひきこもる若者たちの理解と支援」~一人ひとりの思いを支えつなぐ地域づくり~
日時 平成29年7月15日(土)午後1時30分~4時
場所 グランシップ 会議室910
講師 長谷川俊雄氏 白梅学園大学子ども学部子ども学科教授 社会福祉士、精神保健福祉士

◆島田市社会福祉協議会主催
「ひきこもり回復に 本当に必要なこと」~SCSカウンセリング研究所20年の経験から~
日時 平成29年8月26日(土)午後2時~4時
場所 島田市 プラザおおるり3F 視聴覚室
講師 SCSカウンセリング研究所 臨床心理士 桝田智彦氏

いずれも参加料は無料。 但し定員があり、事前の申し込みが必要です。

 

《会長コラム》
先日KHJの総会・支部長会議に小松さんと二人で出席しました。毎回のことながら盛りだくさんのメニューが詰まっており、実質半日で全国から集まる支部の方々との対応は無理ではないか、一考を要すと思います。
現在58支部、この1、2年積極的に新支部を立ち上げた結果ではありますが、継続性に難のある支部、役員の世代交代が滞っている支部など、いろいろ問題を抱えているようです。何よりも長期高齢化の現実に向け、本部及び各支部がどのようなプランを編み出してくるか注視しつつ連携を強めて行きたいと考えております。

初めてご参加の方、初回は体験として無料です。その後よろしければいつでも入会手続きができます。年会費は6000円で、出席した時には参加費のご負担をお願いします。
その他、いっぷく会へのお問い合わせは事務局までお願いします。
事務局 電話・FAX 054-245-0766 担当 中津川

連続学習会は「赤い羽根共同募金」の助成を受けて運営されています。