活動内容
いっぷく会便り 2019年7月号
令和元年7月1日 発行
NPO法人 KHJ全国ひきこもり家族会連合会 静岡県「いっぷく会」
会長 中村 彰男
日時
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2019年6月9日(日)
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テーマ
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「繰り返してものにする・・・理性と感性のバランス 」
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講師
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人間関係と心の相談舎 代表 菊池 恒氏
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会場
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静岡県男女共同参画センター「あざれあ」
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PDFファイル201907.pdf
6月例会のご報告
6月例会は、6月9日(日)静岡県男女共同参画センター「あざれあ」で開催しました。
◆準備会 10時~
18名の参加をいただきました。まず「いっぷく会便り6月号」、「7月個別相談会案内」、「7~9月学習会案内」を入れて、出席者への配布、欠席者・関係機関への郵送作業を行いました。そしていくつかの報告事項、打ち合わせについて話し合い、あとは昼食をとりながら楽しい歓談の時間を過ごしました。
弁当持参ですが、どなたでも例会に少し早く出かける感じで参加してみて下さい。都合のつく時間からで構いませんので、是非ともゆっくりした時間を共有しましょう。
◆例会 13時15分~16時30分 参加者48家族57名参加(初参加4名含む)
◇連続学習会
テーマ「繰り返してものにする・・・理性と感性のバランス 」
講師 人間関係と心の相談舎 代表 菊池 恒氏
1.基本の振り返り
①親の意識(どういう意識で子どもに接していけばいいのか)
・親が自責をしないこと
親の自責は、僕が悪いからだと子どもも自責にさせて、子どものエネルギーをも消耗させることになります。
・原因追究しないこと
本人も分かっていないのに、親が追い詰めるのは、結局は子どもそのものから目を反らすことになります。
・親が自分の世界を持つこと(楽しいことをする)
お父さん、お母さん、エネルギーを充足して下さい。但し、子どもの要求が優先ですよ。
②親の声掛け、意識の向け方
・あいさつ
子どもの顔を見られない状況であっても、最低限「おはよう(昼ごろ起きてきてもおはよう)」、「おやすみ」、「行って来ます」、「ただいま」は言って下さいね。明るく、語尾を強調するように
元気良くですよ。これで空気が変わります。そして、「ありがとう」、「ごめんなさい」もですね。
・話しの聴き方
否定をしないで最後まで聴くことです。だって・・・、でも・・・、どうせ・・・、これはダメですよ。 ・・たら、・・のに、・・しか、・・れば、これも極力避けて下さい。
・意味と道筋、カラクリ
難しいことですが、こんな言葉を良く使う、こんな話が多く出てくる、など子どもの特徴を知ることです。子どもの考え方のカラクリが掴めてくると会話がしやすくなります。
③感性を磨く、結果主義からの脱却
“頭”で考え理屈が通用する理性に対して、理屈が通用せず“心”で感じる世界が感性です。
日常生活の中で美味しい物は美味しいと感じること、その積み重ねが大事です。そして、感性には感情が伴います。その理屈抜きで湧いてくる感情
を理性で抑えつけると、いずれは爆発します。
だから、我が子に鬱積している感情をいかに出してあげるかです。
理屈で考えることが多ければ多いほど、感性的に感じている事が物凄く大きいということ、これを理解することです。理屈と感性でバランスを取っているのです。
結果が全て、評価が全てに偏り過ぎると、成績を気にするように他人の目が気になり、その結果自分を見失ってしまうので要注意です。
④全ての出来事・状態には2種類ある
例えば、幼児退行(心が幼子の様になること)にも2種類あります。
一つは、ゆっくりと出てくる幼児退行です。これは本人も自覚しているので好ましいと言えますが、もう一つは、一気に出る幼児退行で本人も自覚が無く本当の幼児になり好ましいとは言えません。
但し、対応の仕方は同じで、「そうかそうか」で良いのです。
2.コミニュケーション・実践までの道のり
①「気づき」⇒「意識づけ」⇒「実践」⇒「変化」⇒ のサイクルへ
何のために親の会に来て学習しているのか。明確な目的を持って参加することが大事です。“あ!そうか”という「気づき」を得るためです。そして、“あ!
そうか”を繰り返して「意識づけ」をしていくのです。この「意識づけ」により実践が可能となり、実践によって何らかの変化が生じて、
その変化が次の「気づき」へと繋がっていきます。難しいのは「意識づけ」ですが、そこを何とかたたき込んで「実践」へと結びつけ、それを何回も何回も繰り返して下さい。
今度子どもと顔を合わせたら、どう声掛けするかを常に自分にプログラムしておくことです。その繰り返しにより、それが自然体になっていくのです。
②正解探しはしないで下さい
親が勘違いし易いのは、正解を探そうとすることです。
例えば、「俺どんな職業に向いているかなあ?」、親は真剣に考えて、この子にとって有益なことを言わなければと「こんな職業に向いているよ」と答えるが、これが罠です。
「誰がそんなことを聞いたか!」となる。子どもの感性はどうなっているかを想像して下さい。
3.理性と感性のバランス
①正論を言い続けること自体が間違い
理性は社会に合わせること、感性は自己表現です。子どもは、理性的なものを重視し過ぎたために苦しくなったのです。その理性の世界にもう一度戻りたいと思いますか。理性を持って正論を言い続けていくことは、感性にとっては非常な負担です。正論が個人の感性と相容れるかは別の話なん
です。つまり、正論を言い続けること自体が間違いなのです。子どもは、頭(理性)では分かっているが、恐怖、不安(感性)が邪魔をして、そのバランスが取れなくなっている状態です。
②感性に傾き過ぎた時の罠
落ち込んでいる時の表情は、暗い、怖い(緊張していると怒ったように見える)、喋らない。これは、理性で蓋をして、感情を抑えているためです。重くなり過ぎた理性を軽くしていく、または感性の方に傾けていくことが重要となって来ます。
ひきこもりのプロセスの中で社会批判 他者批判をする時期があります。これは重要なプロセスですが、最終的に自分以外の者は全てダメだと傾ききってしまってはまずいのです。これは罠です。
社会、他者から批判されてきたのが、今度はこれが逆転し、社会、他者を批判する。やっていることは同じになってしまう。自分を守るために必要なことですが、これが増長し過ぎると自分は正しいと思いこんでしまう。タイミングをどうやって見定めるかは難しいものの、自分は充分に守られていることを知ることで、社会、他者と繋がりたいと思うようになります。対象批判では繋がることは難儀なので、許すように「自分も大事、他者も大事」とバランスをどう取っていくかとなるのです。
4.打てば響く親に
①一緒に悩むことと想像力
子どもから話し掛けられたら、反応できる親になって下さい。子どもの問いかけを無視しないでください。真摯に受け止めて、一緒に悩んで向き合う覚悟を持って下さい。
「俺、一生働かない」、今どんな気持ちで言っているのか想像して下さい。
受け止めるとは、事実を事実としてただありのまま見るだけです。
子どもが親に求めているのは、とにかく打てば響け、へこむな、落ち込むなです。そして、子どもを尊重すること、安心できる環境を作ることです。
②わずかな変化に気づくか
親の急激な変化は止めて下さいね。子どもは、不信感が募りパニックを起こします。
子どものわずかな変化(リビングに居る時間が5分でも伸びたなど)をいかに察知出来るかです。
子どもも察知されたことを察知します。そのわずかな変化に、親もわずかな変化で対応することです。
参考:人の心は“命令”では動かない。お願いすることです。そして、疑問形です。
子どもに対して何か頼む時、「時間がある時でいいからお願いできるか?」です。
この後、質疑応答で色々とアドバイスをいただきました。大変ありがとうございました。
「個別相談会」のお知らせ
日時:令和元年 7月26日(金) 9:30 ~ 21:00 小会議室
27日(土) 9:30 ~ 12:00 小会議室
18:00 ~ 21:00 小会議室
28日(日) 9:30 ~ 18:00 小会議室
場所:静岡市番町市民活動センター 2階
(カウンセラー)「人間関係と心の相談舎」代表 菊池 恒 先生
相談時間 1家族=50分 80分 110分の各コース(会員限定・有料)
お申込み・お問い合わせは TEL・FAX 054-245-0766(中津川)まで
「いっぷくサロン」 気軽にお出かけください
いっぷく会は、ひきこもりの当事者を抱えた家族会(主として親)です。
ひきこもりに関する学習、情報交換、交流などを行っています。
下記の時間にはサロンを開いていますので、会員はもとより一般の方も気軽にお寄りください。
当日の当番者が応対させていただきます。
各種情報もありますし、多少のご相談にも応じられますので是非ともご利用ください。
オープン:毎週火・木曜日 午後1時~4時(但し、祝日、年末年始は除く)
場所 :静岡市葵区一番町50番地 静岡市番町市民活動センター2F KHJ静岡県いっぷく会 事務所内
8月例会のお知らせ
日時 :令和元年 8月11日(日) 13:15 ~ 16:30 (受付 13:00~)
会場 :静岡市番町市民活動センター 2F 大会議室
<連続学習会テーマ>『 ひきこもり、ニート、不登校の回復は親次第 』
講師:SCSカウンセリング研究所 代表理事 桝田 宏子氏
※事前の参加申し込みは必要ありません、当日会場へお越し下さい。
<参加費>1家族 ワンコイン! 500円、 初参加の方、当事者の方 無料
尚、当日10時より準備会を同場所で行っています。会報の発送作業や家族同士の歓談などを行っています。家族、当事者の方など、どなたでも参加できます。むしろ、来ていただく方が多いほうが準備の都合上助かります。例会時とは一味違った雰囲気で、気楽なお話もできます。
また、居場所として活用するのもひとつの方法です。是非、皆さんのご参加をお待ちしています。
《会長コラム》
「親」という漢字は、「木」の上に「立」って「見」ると書きます。出かけた我が子を心配して、高い木の上に上り、出かけていった方面をジッと見つめ、今か今かと帰りを待ちわびる姿を現したものであるそうな。何という、思わず唸りたくなるような話ではありませんか。
私たちも皆さんがこれまでも、いまも、これからも「親」であり続けるのです。
初めてご参加の方、初回は体験として無料です。その後よろしければいつでも入会手続きができます。年会費は6000円で、出席した時には参加費のご負担をお願いします。
その他、いっぷく会へのお問い合わせは事務局までお願いします。
事務局 電話・FAX 054-245-0766 担当 中津川
E-mail:ippuku-kai@outlook.jp